最終更新時刻:2008年7月24日(木) 15時06分

モバイルチャンネル

イー・モバイル千本氏 対 NTTドコモ夏野氏--元NTT社員と現役NTTグループ社員が激論

藤本京子(編集部)

2007/07/31 19:48  

 日本電信電話公社(現NTT)出身で、現在はイー・アクセス 取締役会長およびイー・モバイル 代表取締役会長 兼 CEOを務める千本倖生氏と、ベンチャー企業の事業失敗後NTTドコモに入社し、現在同社でプロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長を務める夏野剛氏。一見正反対のような道を歩む2人が、京都で開催された「Red Herring Japan 2007」にて同じ壇上に立った。モデレーターの日本経済新聞 編集委員 関口和一氏を含め、流ちょうな英語を話す3名は、外国人が半数を占める聴衆を前に英語で激しい討論を繰り広げた。

千本氏常にNTTという巨人に立ち向かう姿勢を崩さない千本氏

 長年NTTに務めていたにもかかわらず、退社後にNTTと国内長距離通信で競合する第二電電(現KDDI)や、インターネット通信サービスで競合するイー・アクセスなどを立ち上げた千本氏は、「価格破壊を起こすため、NTTという独占的企業に対抗する必要があった」と当時を振り返る。

 長距離電話料金とインターネット通信の次に千本氏が目をつけたのは携帯電話の料金体系だ。データ通信サービスが普及しているとはいえ、「日本のARPU(Average Revenue Per User、1ユーザーあたりの売上額)は、米国や韓国、英国、台湾などの携帯電話普及国よりずっと高い」と千本氏は指摘、「今度はモバイルブロードバンドサービスで価格破壊を起こす」との意気込みで2005年にイー・モバイルを設立した。

夏野氏ベンチャー企業から大企業へと転職した夏野氏

 一方の夏野氏は、インターネットが国内で普及する以前の1996年、広告収入をベースにインターネットアクセスをユーザーに対して無料で提供するというビジネスモデルを展開するベンチャー企業、ハイパーネットに参画した。その後ハイパーネットは倒産し、夏野氏は1997年NTTドコモに入社、1998年に開始したiモードサービスの展開において中心的役割を務めた。

 「当時の携帯電話は、データ通信にはほとんど利用されていなかった。今ではゲームや音楽ダウンロードなどが可能で、マルチメディア端末として利用されている携帯端末だが、iモードが登場する以前はメールやインターネットさえできなかったのだ」。iモードサービス開始当初を振り返り、夏野氏はこう語る。

 その後iモードは爆発的に普及した。現在も携帯電話を使ったサービスは、決済機能が加わるなどさまざまな進化を遂げている。夏野氏は、千本氏が指摘した他国より高い日本のARPUについて「われわれはユーザーに新しい価値を次々と提供している。だからこそARPUが下がらないのだ」と反論した。

 とはいえ、ナンバーポータビリティ導入後、ドコモのユーザー純増数は以前ほど勢いがなく、KDDIやソフトバンクモバイルに対してシェアを失いつつあるのも事実だ。モデレーターの関口氏にこの点を指摘された夏野氏は、「シェアを失ってもユーザー数そのものは増えている。ドコモは年間70億ドルもの利益を生み出しており、現在も52%のシェアをキープしている。小さな競合を気にしてはいない」と自信を見せた。

 しかし、そこでRed Herring会長のAlex Vieux氏が口をはさんだ。

新着記事

モバイルチャンネル セレクション

iPhone 3G、発売前夜から祭りのあとまで
iPhone 3Gがついに発売された。ユーザーからの期待は大きく、ソフトバンク表参道、ビックカメラ 有楽町店、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaなどの旗艦店舗には多くの人が行列をなした。発売前後の様子を記事とともに振り返る。
10代の若者と携帯が鍵--米国広告市場における今後の流れ
日本と同様、米国でも10代の若者の間では携帯電話などの携帯端末が主流になりつつある。この流れに着目する企業側は、次の一手を考えている。
「ニコニコ動画を日本のインフラにする」--夏野氏がニコニコ動画に参画した理由
iモードの育ての親として知られる元NTTドコモの夏野剛氏が、新たな活躍の場としてニコニコ動画を選んだ。夏野氏の参画でニコニコ動画はどう変わるのか、夏野氏とニワンゴ取締役の西村博之氏(ひろゆき)に話を聞いた。

モバイルチャンネル コラム

■モバイルインターネット業界の基礎知識

電子書籍、デコメ、着せ替えツール--なぜ今このモバイルコンテンツが伸びているのか
近年急成長を遂げたモバイルコンテンツ市場といえば、電子書籍やデコメール、最近ではメニュー等の着せ替えコンテンツだ。なぜこれらのコンテンツが今、伸びているのだろうか。

■モバイルインターネット業界の基礎知識

人気を集めるモバイルコンテンツにも変化の波
モバイルコンテンツ市場においては、音楽とゲームが大きな2本柱になっている。しかしその人気コンテンツは、時とともに移り変わっている。

■モバイルインターネット業界の基礎知識

行動、売れ筋、顧客単価--あらゆる面でPCと異なるモバイルECの世界
今回は、携帯電話による物販を中心とした、いわゆる「モバイルEC」について解説していく。その実態はPCのECビジネスと大きく異なっている。

フォト

企画特集

DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」
〜企業システムの仮想化環境の構築を支援〜

プロダクトレビュー

メンバーズレビュー