イー・モバイルは2月19日、下り最大3.6MbpsのHSDPA通信サービス「EMモバイルブロードバンド」を、3月31日から開始すると発表した。サービス開始と同時に、Windows Mobile5.0搭載のシャープ製専用通信端末「EM・ONE(エム・ワン)」と、PCやPDAに接続するデータカード型端末3種類を投入する。
EM・ONEは音声電話非対応のデータ通信専用端末。4.1インチのワイドVGA(800×480ドット)液晶を採用。131万画素CMOSデジタルカメラ(QRコード読み取り可能)、無線LAN(11b/g)、Bluetooth、ワンセグを搭載し、スライド式QWERTY配列キーボード採用の端末としては世界最薄となる18.9ミリを実現した。画面のビデオ出力にも対応するほか、USBやBluetoothで外部キーボードの接続も可能となる。
EM・ONEについては通信料金が携帯電話サービスでは初となるPC利用を含めた定額制で月額5980円。本体価格は2年契約の場合で3万9800円となった。ただし、データカード型端末の通信料金については現時点では未定としている。カード型端末については、3月31日にNECインフロンティア製の端末が発売されるほか、順次、ネットインデックス製、ベルギーのOPTION社製の端末も登場予定だ。
通信エリアについては、サービス開始時は東京23区、名古屋市内、京都市内、大阪市内のみでの提供となる。6月には東京の16号線圏内、神戸・大阪近郊までエリアを拡張。その後に順次、全国主要都市へサービスを拡げていくとしている。
イー・モバイルは2008年3月に開始予定の音声電話サービスについては、NTTドコモのFOMAと基地局ローミングを行うことで全国エリアをカバーすることが決定しているが、データ通信サービスについては、あくまで自社で基地局整備を進めていく予定だ。
発表会で壇上に立った代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏は、晴れがましい表情で「かつてADSLでイー・アクセスが起こした固定ブロードバンド革命に続き、今度はイー・モバイルがモバイルブロードバンド革命を起こす」と宣言した。
続いて、EM・ONEにW-CDMAベースバンドチップを提供した米クアルコムのCEO ポール・ジェイコブズ氏、シャープの代表取締役副社長の松本雅史氏、EM・ONEのワイドVGA画面用にカスタマイズされたWindows Mobileを提供したマイクロソフトの代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏が次々と登壇。日本の携帯電話市場に13年ぶりの新規参入となるイー・モバイルに祝いの言葉を贈った。
またEM・ONEでは、ポータルインターフェース(ビジュアルシェル)部分に、3Dによる立体的インターフェイスが採用される。立体技術を提供したのは、3Dテクノロジーのベンチャー企業、ヤッパ。同社の弱冠23歳の代表取締役社長である伊藤正裕氏も登壇し、「取り扱い説明書不要」という同機のインターフェース概念についてプレゼンテーションも行われた。
EM・ONEは3月1日から予約受付を開始予定。主要な家電量販店のほか、イー・モバイルのオンラインストアでも購入が可能だ。
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