IDCの「Cloud Services Forecast」調査リポートによれば、今後5年間のクラウドサービスへの支出額は他の一般的なIT支出額の成長率を上回り、2013年までにIT支出全般の約10%となる442億ドルに達するという。
しかしながら、この発表データでクラウドサービスに含まれているのは、IDCが定義したアプリケーションソフトウェア、アプリケーション開発および導入ソフトウェア、システムインフラストラクチャソフトウェア、サーバおよびディスクストレージ性能分野における分類サービスのみであり、プライベートクラウドは対象に含まれていない。
プライベートクラウドまたは少なくともクラウドと同じ原理で運用されている企業内のエンタープライズアプリケーションが、主要なトレンドとして今後5年間で伸びていくことに疑問の余地はないだろう。現在は多くの開発者が「Amazon S3」や「Amazon EC2」などのパブリッククラウドサービスを好んで活用しているものの、既存のコンピューティングパワーを用いてコスト削減を図れることに加え、容易にクラウドのAPIを活用できる点が、今後は企業内でも急速に普及を見込める要因として挙げられる。
パブリッククラウドサービスへの支出額がIT支出全般の10%を占めるようになるのであれば、それは非常に急速な成長率を意味している。確かに今後も不況が続くなどと予想したくはないものの、はるかに少ない設備投資で導入可能なサービスを、どのように多くの企業がIT予算へと組み込んでいくことになるのかを楽しみに見守りたい。
(クラウドサービスは)今後5年間で堅調な成長を遂げ、一般的なIT支出額の成長率を6倍も上回って、5年間で26%の年間成長率を記録していくと予想される。厳しい経済事情にもかかわらず、さらに正確な表現をするならば、この厳しい経済事情があるゆえに、今回の予測で出された年間成長率は、クラウドサービスが一般的なIT支出額の5倍の成長率を記録するとした2008年当時の予想をも超えるものとなっている。
依然としてクラウドサービスが揺らん期にあり、今後も市場の乱立が続いていくことは間違いないだろう。どのアプリケーションおよびサービスが、インターナル(企業内)クラウド、エクスターナル(外部)クラウド、その他のパグリッククラウドなどに位置づけられるのかを正確に定義していくことも、これからの課題となっていくだろう。
とはいえ、IT支出が伸びていくのを見るのは実に喜ばしいことである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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