TechCrunchは米国時間11月13日、Google、Yahoo、Microsoftに対抗する独自の検索エンジンを、Appleが現在開発中であるといった内容のうわさが流れていることを伝えた。同報道においてTechCrunchでは、Appleが検索エンジンを開発する理由について、「Safari」ブラウザを始めとする、ウェブ全体から流れ込むトラフィックから、現在の路線とは異なる売り上げを確保したいという願望を挙げている。
しかしながら、いくらか調査を進めた結果として、TechCrunchは、Appleが秘密裏に検索エンジンの開発に取り組んでいる可能性は、かなり低いと判明したとも伝えており、シリコンバレーでは、Appleが、業界内の別のセクターに注力する可能性について、ほとんどうわさにもなっていないことを報じている。
筆者は、うわさの真偽を問いただす議論など必要ないと感じているし、そもそもAppleが独自の検索エンジン開発を進めているというアイデアそのものが、おかしなものに思えて仕方がない。Appleの現在の戦略は、ハードウェアと密接に結び付いたものであり、わざわざ別の市場へと進出すべき理由など見当たらないからだ。
とはいえ、たとえAppleが検索エンジンを開発しているという考え自体が真実であり得ないとしても、この点を、もう少し掘り下げて考慮してみるのはいかがだろうか?もし本当にAppleが検索エンジンを開発したとすれば、一体何が起きるのだろうか?Appleにとって、より壮大で、さらに良い展開が待っているのだろうか?それとも、これはAppleの没落を示すものとなってしまうのであろうか?ちょうどAppleのハードウェアが、消費者を魅了するものとなったように、Appleの検索エンジンも、消費者の心に訴えるものとなるのだろうか?それとも、まったくもって大失敗に終わるのであろうか?
Appleが検索エンジンを開発しているとのうわさが呼び起こす、さまざまな可能性は、ただのうわさとして片付けてしまうには、なんとも惜しいものである。
もしAppleが本当に検索エンジンを開発しているとするならば、筆者は、明らかにAppleは、Microsoftをターゲットとした闘いを仕かけようとしていることに疑問の余地はないと感じている。確かに、Googleは、まぎれもない検索市場のリーダーであり、おそらくAppleも、Googleをターゲットとすべきことは承知の上だ。そもそも、Appleにしろ、他のどの企業にしろ、たとえどんなに使いやすい検索エンジンを開発したとしても、もはやGoogleに追いつくことはできないであろうという現実を見据えてほしい。それはなぜなのだろうか?Googleは、検索市場で成功を収めるならば、他社を排除することができるという点を、最も早く理解するに至った企業であり、すでに非常に多くのユーザーが、Googleを利用してしまっていることからすると、わざわざ他の検索エンジンに移行する理由などないのである。
だが、もしAppleが検索エンジンの開発に取り組むとするならば、Steve Jobs氏は、全力を尽くして、Microsoftにターゲットを定めるのを好むはずだ。なぜならば、Microsoftこそ、ソフトウェア業界で、何年も前にAppleを破った唯一の企業であり、それゆえにSteve Jobs氏は、Bill Gates氏ほどには富を得られなかったからだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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