Nielsen Onlineが2000年3月より提供してきたインターネット視聴率サービス「NetView」が、この2008年9月度データの提供を最後にリニューアルされる。昨今の様々なウェブ技術に対応した最新のデータコレクション技術とパネル規模の拡大により深い分析が可能になる。是非ウェブマーケティングの現場で新しい「NetView」をご活用いただきたい。
今回コラムでは総利用時間という切り口でサイトをみていくことにする。この1年のウェブ動向を知るために1年前と最新月(2007年9月と2008年9月)のデータを比較し、利用時間のトレンドから特徴あるサイトを紹介したい。
過去13カ月前(前年9月時点)と比較した場合の伸び率上位5ドメインは以下のようになる。
サブドメイン | 総利用時間、2007年9月、単位:千分 | 総利用時間、2008年9月、単位:千分 | (利用者数)(2008年9月)(単位:千人) |
---|---|---|---|
モバゲータウン(mbga.jp) | 163 | 21,604 | (347) |
画像掲示板 画像ちゃんねる(gazo-ch.net) | 158 | 12,112 | (352) |
もしもドロップシッピング(moshimo.com) | 988 | 10,821 | (733) |
ポイント交換のPeX(pex.jp) | 1679 | 17,645 | (635) |
NEXCO西日本(w-nexco.co.jp) | 454 | 4506 | (581) |
ここで注目したいのが、第1位のモバゲータウンだ。モバイル版でおなじみのケータイ総合ポータルサイトで、会員数は987万(決算資料より)というメガケータイサイトである。今までは携帯電話での利用が主だったこのサイトだが、2008年7月にPC版サービスを開始し、その結果、利用者数はまだまだだが、2007年9月時点で163千分だった総利用時間が、PCサービス開始後は2008年7月:3,134千分、8月:11,521千分、9月:21,604千分と順調にヘビーユーザーの心を掴んでいるのが伺える。
このモバゲータウンを運営するディー・エヌ・エーだが、PC関連のその他の運営サイトも好調で弊社が管理する企業単位のプロパティでも総利用時間で上昇傾向にある。
プロパティ | 総利用時間、2007年9月、単位:千分 | 総利用時間、2008年9月、単位:千分 | (利用者数)(2008年9月)(単位:千人) |
---|---|---|---|
ディー・エヌ・エー(DeNA) | 40,413 | 169,924 | (3,943) |
プロパティDeNA内 利用者上位ドメイン | |||
ビッダーズ(bidders.co.jp) | 33,276 | 18,937 | (2,140) |
モバオク(mbok.jp) | 6,444 | 13,499 | (767) |
趣味人倶楽部(smcb.jp) | 0 | 112,882 | (415) |
モバゲータウン(mbga.jp) | 163 | 21,604 | (347) |
ポケットアフィリエイト(smaf.jp) | 93 | 288 | (293) |
中でも趣味人倶楽部は、総利用時間が112,882千分、一人当たりの利用時間に換算すると4時間31分を超え、ヘビーユーザーが多いことが伺える。ちなみに、yahoo.co.jpの利用時間が一人当たり3時間19分、youtube.comが1時間14分なので、このサイトの利用が非常に濃いのが分かる。また、この趣味人倶楽部は、41万5千人の利用者ながら、アクセスの8割を40代以上が占めており、サイトの狙い通り高年代の比較的ゆとりのある世代に支持されているのが伺える。
クルーク株式会社は、イラストコミュニティサイト 「pixiv」を運営する会社だ。2007年9月に弊社に登場して以来、毎月順調に利用者数を伸ばし、2008年9月現在、44万9千人の利用者で総利用時間32,796千分、一人当たりに換算すると、1時間12分利用されている。10代、20代の若い年代の利用者が68%を占めるサイトで、若い人のトレンドの一端が垣間見れる。なお補足になるが、本コラム執筆時点の10月末に確認できたこととして、このクルークは来月11月より社名をピクシブに変更する旨がわかった。
5位のpipa.jpも前述のクルーク同様、イラストコミュニティーサイト「手書きブログ」を運営する会社である。2007年12月に弊社で初めて計上された後、急激ではないが毎月順調に利用者数を伸ばし、2008年9月現在、利用者数41万5千人、総利用時間17,053千分、一人当たりに換算すると41分利用されている。こちらもクルーク同様、10代、20代の若い年代の利用者が70%を占めるサイトだ。
これらイラストサイトは、利用者数(パソコンからのアクセス)はまだまだ少なくても、ユーザーから熱く支持されているサイトである。今後、口コミやプロモーションによって飛躍的に利用者数を伸ばし、メガサイトに成長していく日も来るかもしれない。
以上みてきたように、利用者数やページビューという指標に加えて、総利用時間でユーザー動向を見ていくのも、サイトのロイヤリティを測定する上で重要な指標であることは間違いない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」