サンフランシスコ発--オンライン広告が不況をものともしないビジネスかどうかは分からないものの、一部の人は、経済的に困難な時代には、少なくとも他の広告手段よりも優位なはずだと信じている。
Washingtonpost.Newsweek Interactiveの最高執行責任者(COO)であるJennifer Moyer氏は、当地で開催中のカンファレンス「ad:tech san francisco」におけるパネルディスカッションで「不況時には、マーケティング担当者はテレビのような従来のメディアを使った広告から、CPM(1000インプレッション当たりのコスト)がある程度安く、ROI(投資収益率)を測定しやすいウェブ広告へと出費対象をシフトさせる」と述べた。
Nokia Interactiveでモバイルブランド戦略を担当するグローバルディレクターのJeremy Wright氏も同様のシフトを予測している。
「われわれが言えることは、不況によって、広告支出が従来のものからデジタルなものへとシフトしていくという動きが加速するだろうということだけだ。従来のメディアに対する支出が一旦削減されると、その予算が戻ってゆくことはない」(Wright氏)
どのオンライン広告が不況に強いかという点については、議論の余地がある。Googleのペイドクリック検索ビジネス、すなわち検索結果とともに表示される広告がクリックされた際にのみ広告料金を課金するというタイプのビジネスでは、クリック率の低下が見られる。Googleは、それがより優れた広告を厳選して表示するという品質向上対策の一環によるものであり、それによってクリック当たりの収入は増加すると主張しているものの、ComScoreによる最近の市場調査によると、ペイドクリック広告の成長は全般的に鈍化しつつあり、YahooやMicrosoftのMSN、Time WarnerのAOLの業績も鈍化しているという。
Moyer氏によると、オンライン広告へのシフトの動きは、同氏の会社のようにブランド力のあるメディアにメリットをもたらすとは限らないという。同氏は、主にメリットを享受するのはポータルサイトやアドネットワークだと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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