ヤフーは6月26日、行動ターゲティング広告サービスを拡充し、属性情報や地域情報と掛け合わせた広告サービスを7月より配信することを発表した。
ヤフーの行動ターゲティング広告とは、Yahoo! JAPANサイト内での閲覧や検索といった行動履歴をCookieデータとして蓄積し、ユーザーの興味・関心があると考えられる広告を配信するというものだ。例えば自動車情報サイトを閲覧したユーザーには、その後に別のページを見ていても自動車に関する広告が表示されることになる。
Cookieデータは現時点で900カテゴリに分類されており、そのうち750〜800程度が広告販売に利用される。ヤフーによれば、これまで広告販売が好調なカテゴリは自動車、不動産、ファイナンス、旅行・交通、求人などだという。
同社は2006年1月より行動ターゲティング広告のテストマーケティングを開始し、同年7月に本格導入した。2006年第4四半期(2007年1〜3月)の行動ターゲティング広告の販売額は前年同期比551%増と大幅に拡大している。行動ターゲティング広告の単価は当然ながら、ノンターゲティングの通常広告よりも2.5倍程度高く、さらにターゲティングの度合いが深まるほど上昇していくからだ。累積広告主数は延べ400社程度、延べ案件数は2000件を超えるという。
行動ターゲティングのほかにも、ヤフーはいくつかのターゲティング広告を提供している。ヤフーIDを活用してユーザーの年齢、性別、職業に応じた広告を配信する「デモグラフィックターゲティング」、ヤフーIDとIPアドレスから地域を判別する「エリアターゲティング」などがその一部だ。これらのターゲティング商品の一つとして、昨年より行動ターゲティング広告が加わったことになる。
今回発表された新たな行動ターゲティング広告は、これらの各種ターゲティング商品を組み合わせたもので、ユーザーの行動と属性(年齢・性別)を掛け合わせた「デモグラフィック行動ターゲティング」と、ユーザーの行動とエリア情報を掛け合わせた「エリア行動ターゲティング」の2種類が提供される。
デモグラフィック行動ターゲティングでは「美容に関心のある20代女性」、エリア行動ターゲティングでは「新築マンション購入意欲のある大阪在住のユーザー」といったセグメントに分類できるのが特徴だ。
これらの広告の効果をヤフーがテストしたところ、デモグラフィック行動ターゲティングは、ノンターゲティングの4.5倍、行動ターゲティングの1.9倍のCTRが得られたという。エリア行動ターゲティングにおいても、通常のエリアターゲティングに比べて3〜4倍程度のCTRを記録したそうだ。
デモグラフィック行動ターゲティングの設定条件は、約750〜800程度の興味・関心別のカテゴリから“行動”を選択し、13歳〜65歳以上で年齢幅と性別を選ぶ。エリア行動ターゲティングは上記の行動条件に47都道府県または特定78地域から選んだエリアを組み合わせる。
ただ、細かくターゲティングすればユーザーの興味を一層絞り込むことができるが、その分だけ各セグメントのボリュームは小さくなってしまう。
こういった懸念に対して広告本部営業企画部の津留崎耕平氏は、月間400億を超えるインプレッション、1億4000万以上のユニークブラウザ数などがヤフーの強みであるとして、その巨大な母数ゆえにターゲットリーチとインプレッションを確保できることをアピールした。
今後はデモグラフィックとエリアと行動の3つのターゲティングを掛け合わせた、さらに深いセグメントの広告商品も導入していく計画だ。広告配信スペースとしては携帯電話への展開も検討しているという。
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