2009年までには液晶テレビが世界で最も人気の高いタイプのテレビになることが、新たに公表された調査レポートから明らかになった。販売増と製造能力改善のおかげで、代替は予想より早く進んでいるようだ。
iSuppliによると、ノートPCの画面と同じ技術をベースにした液晶テレビの購入が予想より速いペースで進んでいるという。これらのテレビは、2006年の出荷台数が74%増の4670万台に達すると、iSuppliは語っている。iSuppliは数カ月前まで、2006年の出荷台数をわずか4190万台と予想していた。
もしこの傾向が続くようなら、2009年にはブラウン管がテレビの全出荷台数の42%を占めるのに対し、液晶は48%を占めるようになる。そして、2010年までには液晶が全出荷台数の56%を占めるようになる。その一方で、プロジェクションテレビやプラズマテレビの売上は今後も市場全体のわずかを占めるに過ぎない。2009年までの市場シェアは、プロジェクションテレビが現在と同じ3%、プラズマテレビは3%から7%に増加する。
皮肉にも、本体の大きい従来のブラウン管テレビの方が今も画質では勝っている、というのが多くの意見だ。また、値段もこれらの方が安い。iSuppliは、2008年には全出荷台数の70%はブラウン管テレビが占める、との予測を2004年に示していた。
第1四半期には、液晶の出荷台数がテレビの全出荷台数の17%を占めた。
液晶テレビは、今週カリフォルニア州サンフランシスコで開催のSociety for Information Displayカンファレンスで大きく取り上げられる話題の1つになる。同カンファレンスにはPhilips、Liquavista、サムスン電子などの各社から研究者が集まり、各社の研究成果の最新動向が議論される。また、同カンファレンスにはマーケティング担当者も参加し、今回のホットなトレンドとして3Dのテレビや画面が話題に取り上げられる。
液晶テレビの出荷台数増は価格の低下と直接関係し、価格の低下は主に製造工程の改善が要因となっている。サムスン電子やLG. Philipsなどの各社は、最先端の工場に積極的な設備投資を行ってきた。
価格の低下は、(液晶パネルを切り出す)ガラスシートのさらなる大型化が要因となっている。なかには、一辺が6フィート(約1.8m)というものもある。元のガラスが大きければ大きいほど、同時に製造できるテレビパネルの数も増える。
メーカー各社はさらに、期待ほどの売り上げを達成できない場合は価格戦争も展開する。たとえ理由が何であれ、価格は大幅に下落する傾向にある。32インチ、そして40および42インチの液晶テレビの平均価格は、1月から5月にかけてそれぞれ17%および14%低下している。
世界最大の液晶テレビメーカーはLG.Philipsで、それをサムスン電子、中国のChi Mei、そしてAcerファミリーからスピンアウトしたAU Optoelectronicsの各社が追う形となっている。第4四半期には、世界の液晶テレビの44.8%は韓国製が占め、台湾製が40.1%で続いている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」