・サイトの成果を最大化するためには、ユーザーシナリオを考慮することが前提だが、英文品質、サイトの構成、文章量といった形式面の最適化も必要となる。
・グローバルサイトを実際に実装し展開するには、社内や現地法人との調整も重要。
前編では、自社の製品・サービスがターゲットとするユーザーを考慮することの重要性と、サイトの構造の考え方について紹介しました。今回は、サイト制作にあたっての注意点および進め方をご紹介します。
製品やサービスの魅力を伝え、ユーザーをビジネスゴールに導くには、ユーザー像やユーザーニーズを明らかにし、ユーザーシナリオを考慮することがウェブサイト制作において重要ですが、これらに加え、サイトの形式面にも踏まえておくべきポイントがあります。
文化や言語、ユーザーの行動特性の違いから、英語のケースでは以下の点が形式上のポイントとなります。
これは実際にビジネス上でネイティブユーザーに接する機会がないと認識しづらいのですが、企業のグローバルサイトでは非常に重要です。
日本人でもある程度のスキルがあれば日本語を英文化することは可能です。しかし、どうしてもネイティブが見ると拙い英語となっていることがあります。
例えば、日本語サイトのコンテンツを以下のように英訳したとしましょう。
「基本的にサポートサイトを本社で運用し、各国はそこへアクセスする。」
→The headquarter administer a support website, each country access to it, basically.
ネイティブスピーカーからすると、以下の点で疑問を感じるでしょう。
グローバルサイトでは、ユーザーの最初の接点が企業ウェブサイトであることも少なくありません。その場合、ユーザーの印象は接するウェブサイトによって形成されることになります。そのため、サイトの英文品質の低さは企業イメージや信頼性の低下に直結し、ビジネス機会を逃す結果となってしまいます。
同様の観点で、ヨーロッパのサイトではアメリカ英語ではなくイギリス英語の表現とする必要があります。
海外の大手サイトでは画面全体にわたるブランドパネルや、動きのある画面など、新しい見た目の要素が日本よりも早く実装される傾向にあります。
ニューヨークやシンガポールで実施したBtoBサイトのユーザー行動観察調査では、ユーザーの多くがブランドパネルが小さいサイトに対して「古い」という印象を持ちました。
必ずしも先進性の訴求が重要ではない業種でも、過剰とならない範囲で画面全体を使ったブランド訴求や動きのあるコンテンツなどを採り入れるとネガティブな印象を持たれることは少ないでしょう。
ただし、先進性を追求するあまりファイルサイズが大きくなってしまうと回線速度が遅い地域では不便になります。そこで、SAMSUNGサイトのようにファイル容量が小さいバージョンも用意すると良いです。
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