この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを隔週でお届けします。今回は日本から、日本の「iPhone」シェア率についてお伝えします。
スマートフォンの台頭と言われている昨今ですが、いわゆるガラケーと呼ばれているフィーチャーフォンのニーズも継続している日本。MM総研が発表したデータでは、日本の2014年度のスマートフォンの出荷台数は、前年度比7.2%減少の2748万台で2年連続の減少。一方フィーチャーフォンの出荷台数は、前年度比6.0%増加の1040万台と、その人気の高さは健在であることがわかります。
スマートフォンの出荷台数は減少しているものの、その中でも日本のスマートフォン界で大きな存在感を示しているのがiPhoneです。周りを見渡すと、iPhoneユーザーがそこかしこに見られるほど、日本におけるiPhone人気は誰しもが知るところとなっています。そんな日本は、メディアなどではしばしば「iPhone大国」とも呼ばれています。世界各国と比べ、それでは実際、日本のiPhoneシェア率はどれほどなのでしょうか。
アウンコンサルティングが実施した、世界40の国と地域を対象とした2015年6月時点のモバイルにおけるOS・機種シェア調査では、対象の40の国と地域の中で日本のiOSシェア率は最も高く66.5%という結果が出ています。
Appleのお膝元である米国でも、iOSシェア率は49.4%となっており、日本のシェア率がいかに高いのかをうかがい知ることができます。他の国や地域を見ても、iOSシェア率は20~30%にとどまっている国や地域が多く、モバイルにおいて日本は世界と若干のズレがあるのが特徴です。
そして世界の中で注目なのが、Appleシェア率がじわじわと上がっている中国。日本で売られているAndroid端末はAppleの価格と同程度もしくはそれ以上の価格のものが多くありますが、世界各国では安価なAndroid端末も多く販売されています。
中国に本社を置き格安Androidスマートフォン端末を販売しているXiaomiの盛り上がりもしばしば話題に上がりますが、Statcounterの調査によると、2014年6月~2015年6月の期間中、中国国内でシェアトップを誇っていたのがAppleすなわちiPhoneでした。
Appleが米国時間7月21日に発表した2015年度第3四半期(4~6月)決算でも、中国の売上高は前年同期比がなんと112%増の132億3000万ドルと大きな成長を遂げており、中国の経済成長による所得の増加が、高価であるiPhone購入を後押ししていることが予測できます。また、中国のインターネット普及率は46%で今後も伸びが期待されており、大きなマーケットであることは間違いありません。
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