ICT総研は6月15日、2016年におけるMVNO格安SIMの市場動向調査の結果を発表した。調査対象は、インターネットユーザー1万1009人(格安SIM利用者613人)。調査方法はウェブアンケートで、期間は6月2日~5日。
まず、スマートフォンに格安SIMを挿して利用しているユーザーにキャリアを聞いたところ、「楽天モバイル」が17.0%となり、出現率ベースで利用者数シェアトップとなった。以降順に、NTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」(16.5%)、インターネットイニシアティブの「IIJ mio」(12.4%)、ビッグローブの「BIGLOBE SIM」(9.5%)、ケイ・オプティコムの「mineo」(9.1%)と続いた。上位5社で合計64.4%と、シェアの3分の2近くを占めたことになる。
ICT総研によると、NTTコミュニケーションズやインターネットイニシアティブ、ビッグローブなど、もともとネットワーク運営に強みを持つISP事業者が2015年と同様に大きなシェアを記録しているが、今回トップとなった楽天モバイルはこの1年間でシェアを大きく伸ばした形となる。その理由については、直営店の「楽天モバイルショップ」店舗数を急速に拡大させたり、プロモーションを強化したりした点が寄与したものと分析している。
格安SIM利用者に対して、10項目の満足度(満足度ポイントを100点満点換算)を聞いたところ、「コストパフォーマンスの高さ」(平均79.5ポイント)、「最適な料金プランの有無」(平均77.5ポイント)など、料金面に対する項目の満足度ポイントが、他の項目と比べて相対的に高い数値となった。格安SIMは、MNO(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなど大手携帯電話事業者)と比べて料金面が一番の差別化ポイントとされており、利用者も格安SIMの料金に満足している様子が読み取れる。
なお、コストパフォーマンスの高さは楽天モバイルが82.5ポイントでトップ、最適な料金プランの有無はプラスワン・マーケティングの「FREETEL SIM」が83.3ポイントでトップとなった。料金面以外の満足度の項目を見ると、契約手続きのしやすさは「DMM mobile」が82.0ポイント、開通までの待機時間の長さは「UQ mobile」が84.6ポイント、初期設定のしやすさは「IIJ mio」が80.8ポイントでそれぞれトップとなった。
データ通信の品質や速度関連では、「データ通信の品質・安定性」がBIGLOBE SIMの75.8ポイント、「データ通信の速度」はUQ mobileの71.8ポイントでそれぞれトップとなっている。データ通信の品質や速度は、平均63.9ポイントで、平均満足度が相対的に低い項目であることがわかる。サポート面については、「コールセンターのつながりやすさ」の75.4ポイント、「コールセンターの対応」の77.8ポイントと、ともにmineoがトップとなっている。しかし、全体で見ると平均61.3ポイントと、平均満足度が最も低い項目となっている。
「事業者に対する信頼性」は、IIJmioが78.4ポイントでトップ。mineoとOCNモバイルONEが75.1ポイントでこれに続いた。IIJmioは2015年の調査でも品質面の評価でトップとなるなど、格安SIMの黎明期から信頼性に対する評価を高水準で維持できている。
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