Citrix Systemsは5月12日〜14日の3日間、米国カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニセンターにおいて、同社の年次カンファレンス「Citrix Synergy 2010」(Synergy)を開催した。Synergyでは、バーチャルワークスタイルを確立することで仕事のやり方を根本から変革する“ワークシフト”を実現する新仮想化戦略が発表された。
Citrixの新仮想化戦略は、XenDesktopおよびXenAppを中核に構成されるデスクトップ事業部、XenServer、XenClient、NetScalerを中核に構成されるデータセンター&クラウド事業部の2つの事業部で推進される。Synergynの会場でCitrixのデスクトップ担当バイスプレジデント兼CTO、Harry Labana氏に同社のデスクトップ仮想化に関する取り組みについて話を聞いた。
Labana氏は、「デスクトップの仮想化に関しては、すでに現実のソリューションとしてさまざまな会社から提供されている。しかし、その多くはVDI(Virtual Desktop Infrastructure)を実現するための製品群にすぎない。我々の強みは、データセンターからデスクトップ、アプリケーションまで、仮想化に必要なすべての製品群を提供できることだ」と話す。
Citrixでは、XenServerによりデータセンターを仮想化し、その仮想サーバ上でXenDesktopによるデスクトップの仮想化と、XenAppによるアプリケーションの仮想化を実現。データセンターからデスクトップ、そしてその上で利用するアプリケーションまでのすべてを仮想化できるソリューションを提供している。
「VDIだけで仮想化のメリットを最大限に引き出すことはできない。それでは、アイスクリーム屋がバニラしか提供しませんというようなもの。我々の強みは、ストロベリーでも、チョコレートでも、顧客の要求を満たす商品をすべて提供できることだ。これにより、より高い価値を顧客に提供できる」(Labana氏)
データセンターからデスクトップまでを仮想化することで、サーバやデスクトップ環境などを集中管理することが可能。運用管理の効率化やセキュリティの向上、コンプライアンスの確立など、さまざまなメリットが期待できる。
Labana氏は、「物理環境で運用管理を行うと、たとえば10個のライセンスや10個のワークロードをデスクトップやサーバ上で個別に管理しなければならない。仮想化することで、管理を1個所に集中することができる。これにより、Fatクライアントで必要となるパッチやバージョンアップなどを含むクライアントアプリケーションの管理もサーバ側で集中管理することが可能。管理コストを大幅に削減することができる」と話している。
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