また、携帯電話向けのゲームでは「糸通し」が口コミで人気となったことがあります。これは益若つばささん(雑誌「Popteen」で人気を博した読者モデル。同じ読者モデルの男性と結婚したことで話題となった)が雑誌のちょっとした枠で面白いと書いたのがきっかけで一気に広まりました。ギャルは広告じみたものに非常に強い抵抗を感じており、「大人の戦略でしょ」という見方をしてしまいます。読者モデルのような等身大のリアルな声にしか心に響かないのです。ただ、広告を見て、読者モデルなどが勧めていたら、「あ、本当なんだ」と思うので、マス広告との連動は重要だと思います。
広告が嫌だということで、逆にオフィシャルなものが注目されています。公式サイトをiメニューから探すという人が増えていますね。また、芸能人の「オフィシャルブログ」のような機能が欲しいという声もあります。
説明が難しいものは会話で広めるのが難しいことから、時間がかかるようです。事実mixiなどは「招待して、コミュニティがあって……」とSNSの概念を口頭で説明しても内容が伝わりにくいことから、人気が出るまで3年かかっています。一方、「糸通し」などは、針に糸を通していくだけというルールが説明しやすいので、すぐ広まりました。やはり人に伝えやすい簡単なものが広がりやすいといえるでしょう。
ギャルたちは「自慢したい」という意識が強く、新しいものを広めることでコミュニティの中でステータスが上がっていく、という意識があります。例えば、ミュージシャンのDAIGOを「自分たちがはやらせた」と自慢げに話すギャルは少なくありません。それゆえモバイルサイトに関しても、色々なものをチェックして、新しいものを発見することを競っているようです。
掲示板で情報を探したり、学校などの会話で気になったことを聞いて探してみたり、とにかくあらゆるサイトにアクセスして回ったりと、色々な手段を使っているようです。検索機能も積極的に活用しており、検索機能のないサイトは嫌がられるようになってきています。
PCは欲しいものの候補によく挙がりますね。一家に1台はあるようですが、個人のPCを所有しているのは10人に1人くらいと、あまり多くはありません。基本的にケータイで全てまかなえるものの、持っているとカッコイイという認識のようです。また「100円PC」などはあまり知られていないようで、PCは値段が高いという意識が強いです。それゆえ、大学に行った時に欲しいという人が多くなりますね。
PCを持っている人は、主にYouTubeなどの動画サイトを見ているようです。自分が好きなものを詳しく見たり、自分のブログなどを色々カスタマイズしたりしたいという時などに使っているようですね。
ギャルの行動は夜が基本なので、深夜番組はよく見られているようです。一方でテレビドラマなどはあまり見ておらず、「月9」(月曜夜9時台のドラマ看板枠)に惹かれるというような傾向はありません。
また現在はお笑いブームであることから、お笑い系の番組は人気があるようです。ただ、携帯電話やPCから動画共有サイトを利用して面白い部分だけを見たり、録画した後で面白い部分だけをピックアップして見たりしているようです。(広告である)CMが「ウザい」と感じているのに加え、番組の全部は要らないけど面白かったということを感じたい、という意識があるのではないでしょうか。
とはいえ、彼女達は基本的に芸能人は「世界が違う」と感じており、あまり興味を持っていません。それよりも読者モデルやカリスマブロガー、渋谷にいるカリスマ的な存在などに親近感を持ち、注目しているといえるでしょう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」