Windows Vistaにおけるその好例は、グラフィックスに関してわれわれが成し遂げた仕事です。われわれは、まさにあなたがたが言ったように非常にハードな仕事をしました。つまり、Windowsのグラフィックのインフラを再調整したのです。これはエコシステム全体にとって非常に多くのメリットをもたらしました。つまりドライバをより堅固に作ることができるようになったことや、カーネルモードで実行しなくて良くなったことなどです。しかし、エコシステム全体が望んでいたと思われるレベルの欠陥の少なさで実行したわけではありません。チームは優れた仕事をするためにグラフィックスのパートナーと非常に懸命に働きましたが、スケジュール上の制約があり、情報公開もプロジェクトの実体と合っていませんでした。そのために、2007年1月に一般出荷しなければならなくなったときには、最終的には予想よりも非常に困難の多いリリースとなってしまいました。
Sinofsky:わたしはあまり過去の視点に固執したくないのですが、ここで再びパートナーとの共同作業で学んだ教訓について少しお話ししましょう。われわれのチームはIHV、ISVおよびOEM(相手先商標製品製造業者)と協力することの非常に大きな責任を感じています。それは彼らもビジネスを運営しており、彼らには独自のビジネスの課題があり、また独自のビジネスの目的、願望を持っているからであり、われわれがこんなことを実行するかもしれないと語ると、彼らは真剣にそれを受け止めてくれます。ですから、われわれもそれについて感謝し、そのことを尊重しています。これは大きなメリットです。しかし、われわれが正確な情報を発信しないと、彼らはわれわれが提供する情報によって行動するので、その後でわれわれが方針を変えてしまってはエコシステムが前進していきません。われわれが学んだ大きな課題は(中略)提供する情報は、製品としてわれわれ自身とチームに対して確約している約束を反映したものであるようにすることです。
Sinofsky:Windows Vistaで機能するドライバやソフトウェアはWindows 7でも非常にスムーズに動作することを保証したいと思います。実際、全く同じように動作します。とりわけドライバモデルに関してはさらなる互換性を提唱するつもりはありません。すでにWindows Vistaにおいて、こうした分野での十分な改善がなされています。われわれは「Windows Server 2008」のカーネルの利点と成功をベースに開発を進めていきますし、これこそがWindows 7について語られてきた開発の核心をなしているのです。要するに、Windows Server 2008のカーネルはWindows Vistaのカーネルが進化したものであり、Windows 7のカーネルは、そのさらなる進化形になるということです。
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