「グーグル? 大好きだよ」--Facebook創設者 - (page 2)

鳴海淳義(編集部)2008年05月20日 15時27分

--韓国のCyworldや米国のMySpaceなど、海外で人気のあるSNSが日本に進出していますが、いずれもパッとしません。なぜだと思いますか。

 基本的に僕らの取り組みは、他のサイトと比べて切り口がまったく違います。それはFacebookが、「リアルピープル、リアルコネクション」という、実在の人と実在のコネクションを基盤としているということです。

 だからこそ、多くの人にとって使い勝手の良いサービスを提供できるサイトになったと思っています。これは米国だけでなく他の市場でもグローバルに共通して申し上げられます。

 ご存知のとおり、米国では我々のちょっと前にMySpaceが登場しましたが、Facebookが事業展開して以来、急速なピッチで追いつきつつあります。国際的にもSNSというカテゴリでは競合が多いわけですが、基本的にFacebookの優位性というのはまったく違うところにあると思っています。もちろん日本語版サイトがどうなるかはわかりませんが、必ずや他のサイトでもあったような成功パターンが続くと思っています。

 実在の人、実在のアイデンティティ、実名、そして実在の友人の中でのコミュニケーションを円滑にするための力を提供するFacebook、という位置づけは他のサイトとは差別化できていると考えています。

--Facebookには2万以上のオンラインアプリがあり、新たなアプリが出るペースも非常に速いです。Facebookはウェブ上のOSのような存在を目指しているのでしょうか。

Mark Zuckerberg

 大変急速なピッチで伸びてきたことは事実です。いま開発者だけでも30万人が携わっていて、2万ものアプリケーションがあります。ただ、FacebookはよくウェブのOSという言い方をされるんですけど、たぶんこれまでのデスクトップのOSとはまったく違う形での領域と展開になると思っています。

 あくまでも僕らには、スタートの段階から一貫している「情報の共有」という目標があります。

 そのプラットフォームの上にいろいろなサービスが提供されていて、そのサービスが提供されることによって、さらに多くの情報が共有される。そしてそれが1つの事業として成り立っていることには価値があります。開発者の方々はそういった形で事業を立ち上げることによって、すでに何億ドルもの収益を上げることが可能となっています。

 それがさらなる相乗効果を生んで、より多くの方々がFacebookという情報共有の場に集まって来ていると感じています。

--Facebookは最近、OpenSocialやFriendConnectなど、あらゆる面でGoogleと争っている場面が目立ちますが、もしかしてGoogleが嫌いなんですか。

 いや、大好きですよ(笑)。Googleからは敵対視されているかもしれないですけどね(笑)。僕はGoogleをとても尊敬してます。大変素晴らしい事業だと思いますし、最近のGoogleの取り組みからは、いままで長年懸案事項となっていた問題を新しい角度から解決しようという気持ちを感じますので、それはそれで素晴らしいことだと思うんです。

 ですから、どちらかと言うと敵対的な関係というよりも、FacebookとGoogleは世界をより透明なものにしていくという1つの目標を持っていると思います。Googleのやっていることは、お互いを補完するような役割なのではないかと僕は思っています。

 ただ僕らが見据えているのは、あくまで「人」です。大切に思っている人と、その人をもっとよく知りたい、そして共有したいと思う気持ちが大事で、まずは人ありきなんです。

 でもGoogleの場合、どちらかというとインデックス化するとか、マシンがどうだとか、情報をいかに整理するか、そういうところに注力しているのではないかと思います。

 今後、より情報化が進んだ社会において、僕らは人を主体として安心でき、信頼できる情報交換の場を提供していきます。Googleはまた違う角度からそれを追求するでしょう。もしかしたら、お互い進もうとしている方向性は一緒なのかもしれません。ただ、その主体が違うだけなのです。

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