最終更新時刻:2008年10月10日(金) 23時50分

躍進する中国最大のビデオ共有サービス56.com--YouTubeと異なる強みと戦略

別井貴志(編集部)

2008/05/16 07:00  

 新規のビデオ共有サービス企業に関しては、現在政府の管轄機関と関係を構築して、ライセンスを申請している企業に関しては、申請中ということでオペレートできています。しかし、そうでないサイト、例えば先ほどの1000ぐらいあった小さな悪質なサイトの多くは、既に政府によってシャットダウンされています。

 ライセンスを得るのに、どれだけ時間がかかるかはまだわかりません。もちろん、ライセンス取得も大事ですが、それ以上に大事なのは、ライセンスを含めて、政府の管轄機関のSARFTのようなところときちんと関係を持っていて、56.comとしてもポリシーを理解したうえで、管理体制を強化していく。それをきちんと政府側にも理解してもらう。そのコミュニケーションのパイプを持つことが非常に大事だと思います。その結果によってライセンスが得られるものと理解しています。

--こうしたコンテンツの管理体制は手間とコストがかかると思いますが。

 実は、金銭的コストはそれほど負担にはなっていません。ただ、56.comのマネジメントがこの問題に対して費やさなければいけない時間、そのマネジメントのリソースを増やすことに、現時点では時間をとられています。

 3年間で中国最大級のサイトになったため、実際にスケーラブルな監視体制を敷くために、技術的な投資として、社内用ですがコンテンツをモニターしてフィルターするときに使うツールをいろいろ開発してきました。でも、最終的にはそれを人間がオペレートしなければならないので、そのコンテンツを管理するオペレーターのトレーニングを非常に重視してきたのです。その結果として、非常に高いレベルの監視体制を構築しています。

 冒頭に申し上げたように、NetEaseでの経験が生きていますが、競合との差別化ではこうした技術力を有している点も大きいのです。競合他社はこの技術力が乏しいため、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)なども外部に委託していますが、我々は中国で唯一自前のCDNを構築しています。

 ビデオサービスを提供していて自前でCDNを有しているのは、グローバルで言うと56.comとYouTube(以前は有していなかった)ぐらいでしょう。やはり最終的なユーザー体系をコントロールするには、インフラも含めて管理しないと納得のいくサービスレベルにできません。ユーザーに提供する機能も限られます。また、やはり自前で技術を持って展開するのと、全部外注しなければならないのとでは、圧倒的なコスト差が生まれると思います。

--2007年末から第2ラウンドの資金調達をしているようですが、具体的には?

 今回の資金調達ラウンドでは総額2000万米ドルを調達しました。光通信のベンチャーキャピタルであるHIKARIプライベート・エクイティと米系ベンチャーキャピタルのSIGがリードインベスターです。また、前回の資金調達ラウンドでも出資してくれたGoogleやYouTubeへの出資で有名な米ベンチャーキャピタルのSequoia Capitalのほか、米Adobe Systems、Disney、日本のソネットなど投資や金融系の企業ではなく、事業会社が出資している点も競合他社にない特徴です。

--ということは、中国以外の海外展開も視野に入っているということですか。

 56.comとしては現時点で海外マーケットの戦略はまったくありません。中国市場にフォーカスしていきますが、なぜ海外の投資家をパートナーとして受け入れているかというと、その中にはAdobeのような技術的なパートナーもいれば、中国よりもモバイルやCGが進化している日本の市場から新しく学べるものがあると思っています。そういった海外市場からマーケティングなどのノウハウなどで知識を得るということがあります。

 もう1つはコンテンツパートナーです。海外の企業やコンテンツホルダーが中国に進出したいというときに、56.comが一番強力なプラットフォームを持っていることによって協力体制が築けます。

--モバイル分野での展開はどう考えていますか。

 モバイルは非常に重要視しているのですが、その前にまずインフラが整備されないとやりたいことができません。中国は3Gはトライアルで一部始まっただけで、まだ本格的ではないのです。それが2009年なのか、2010年か2011年なのかわかりませんが、いまはインフラが整うの待っています。

 それができた時点で、モバイルサービスを本格的に提供していきますが、そのための体制は既にできています。なぜかというと、我々のコアチームの中に前職がNetEaseのモバイル部門をまとめた人たちがいるのです。彼らはNetEase時代に、1年間で売り上げゼロから年商で6000米ドルまで稼いだ経験があります。

 また、パートナーシップとしてはチャイナモバイルやチャイナテレコム、チャイナネットコムなど、今後3G市場に参入してくるであろうオペレーターと良好な関係を築いているので、モバイル分野でもスタートさえすればきっと成功できると考えています。

特集

「ソーシャルメディアキャンペーン」の半数は失敗--アナリストが指摘する理由
多くの企業がソーシャルメディアキャンペーンを計画している。しかし、ガートナーによると、キャンペーンを始める理由が明確になっていなければ、失敗に終わることになるという。
人工知能による会話マーケティングの可能性
日産NOTEのウェブサイトがおもしろい。人工知能を用いて、ユーザーの質問にCMでおなじみのキャラが反応してくれる。裏側で実現しているのは、PtoPAが開発したソフトウェア「CAIWA」だ。同社はこれをウェブマーケティング分野でも活用しようとしている。

オピニオン

■インタビュー

Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏Windows VistaにとってXPはライバルか?--マイクロソフト グローバルマーケティング担当Brad Brooks氏
コンシューマー市場向けの取り組みを強化すると発表したマイクロソフト。日本におけるWindows VistaやWindows Media Centerの現状をどう見ているのか、コーポレートバイスプレジデントのブラッドブルックス氏に話を聞いた。
「iPodを日本で一番売りたい」--ビックカメラ有楽町店に聞く新iPodの魅力「iPodを日本で一番売りたい」--ビックカメラ有楽町店に聞く新iPodの魅力
発表後初の週末となった9月13日に、新iPodファミリーの店頭イベントを開催したビックカメラ有楽町店本館で、店長の石川勝芳氏に、iPodの販売状況と店内での取り組みについて伺った。

■コラム

進化するユーザビリティテスト〜「ユーザー行動観察調査」の効果・効能進化するユーザビリティテスト〜「ユーザー行動観察調査」の効果・効能
近年のウェブサイトリニューアルプロジェクトでは「ユーザビリティテスト」を実施することが当たり前になってきたようです。今回は、単なる「使いやすさ調査」を超えた「ユーザー行動観察調査」の効果・効能を紹介します。
“オトコの遊びゴコロ”をくすぐるロマンたっぷり「自動車ケータイ」“オトコの遊びゴコロ”をくすぐるロマンたっぷり「自動車ケータイ」
香港や中国のケータイショップでは、「おぉっ!こりゃかなりいける!」とワクワクしてしまう怪しいトンデモケータイに出会うことがある。そんな魅力あふれる製品の1つが、今回ご紹介するケータイである。
ソフトバンク株価の下落加速--iPhone一巡し資金繰りを懸念ソフトバンク株価の下落加速--iPhone一巡し資金繰りを懸念
日経平均が約4年10カ月ぶりに1万円の大台を割り込む中、ソフトバンクの株価が、全般相場の低迷にも増して下落が加速している。

企画特集

ネットと家電をつなぐチャレンジ「Life-X」
第一題:ライフログ・シェアリングサービス「Life-X」の第一印象は?
エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」
【第2回】メーカー/占いのコンテンツを作ってみた!

ブログネットワーク

アルファブロガー

外資系エグゼクティブの日々I am Jamming!
外資系エグゼクティブの日々
クロサカタツヤの情報通信インサイトグッバイ、レバレッジ!(1)
クロサカタツヤの情報通信インサイト
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」9月イベントお知らせ
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」
ケータイ時代のスタンダードiPhonista Nightの事後報告
ケータイ時代のスタンダード
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance新サービスをローンチしました
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance
鈴木健の天命反転生活日記パラレルワールドとしての電脳コイル
鈴木健の天命反転生活日記

読者ブロガー

今どきのメッセージ論日経平均株価の落ち着く先は…(2)
今どきのメッセージ論
箱田雅彦・ネットとメディアのききかじりにゃふにゃふ動画
箱田雅彦・ネットとメディアのききかじり
インフラコンサルティングの最前線コンサル業界進化論〜悪評の原因を考える〜
インフラコンサルティングの最前線
WebClip - ウェブのニュースと Second Life (セカンドライフ)琴線に触れた発言集 - エンジニアの未来サミット
WebClip - ウェブのニュースと Second Life (セカンドライフ)
夢幻∞大のドリーミングメディア騒がれないと不安になる人たち
夢幻∞大のドリーミングメディア

リサーチ

■リサーチコラム

薬事法規制の厳しい健康食品に代わり、増え続ける化粧品メーカー
薬事法規制が厳しくなる今、特に規制が厳しい健康食品にかわって化粧品を販売しようとする企業が増えている。そこで、覚えておきたい化粧品と薬事法の関係について簡単にまとめた。
携帯電話の待ち受けに関する調査--最も利用される画面は「自分で撮影した写真」
携帯電話の待ち受け画面に関する調査を実施したところ、10・20代は飽きやすく待ち受け画面を頻繁に変更する傾向にあり、30・40代は季節感や臨場感を重視することが明らかとなった。
電子マネーによるライフスタイルの変化に関する調査--電子マネーコアユーザーは、高所得者層
電子マネーによるライフスタイルの変化に関する調査したところ、電子マネーを活用するのは高所得者層に多く見られた。また、1度に1万円以上チャージするユーザーは10%強であることも明らかになった。

■調査レポートダウンロード

金融不安の市場に、IR活動は何を頼るか!?
CMS未導入企業300社へのアンケート 担当者のホンネを徹底追求

■調査発表

【ゲームクリエイターの方へ】攻めの開発体制を敷くAQインタラクティブ社の中途採用・求人情報をレポート
Alibaba JAPAN、カー用品店に関する調査 カー用品専門店の認知、利用ともトップは「オートバックス」
調査結果「携帯OS『Android』認知度調査、6割が『知らない』 〜ユーザー期待のメーカーは?」

イベント情報

Microsoft Windows SharePoint Services 3.0によるチームサイトの構築
主催:グローバルナレッジネットワーク株式会社
Microsoft .NET入門
主催:グローバルナレッジネットワーク株式会社
Microsoft SQL Server 2005 インフラストラクチャの設計(#4612)
主催:グローバルナレッジネットワーク株式会社

CNET Japan セレクション

ココが変わった、新型「ニンテンドーDSi」--「ニンテンドーDS Lite」と比較
任天堂が11月1日に発売する新型ゲーム機「ニンテンドーDSi」はどんな点が新しいのか。既存のニンテンドーDS Liteと比較するとともに、新機能を紹介する。
フォトレポート:本体が分離するNTTドコモの「セパレートケータイ」の謎に迫る
NTTドコモは家電展示会「CEATEC JAPAN 2008」において、端末が2つに分離できる携帯電話「セパレートケータイ」を展示している。どのような仕組みなのか、何ができるのかを、写真で紹介する。
話題のスマートフォン、写真で見るBlackBerry Bold
RIM製スマートフォン「BlackBerry」の新モデル「BlackBerry Bold」を2008年度第4四半期にも発売すると発表したNTTドコモ。話題のBlackBerry Boldを写真で紹介する。
こんなものもありました--CEATECで見つけたオモシロ新技術たち
幕張メッセで開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、幅広い分野の最新技術が一堂に会している。ここではその中でもユニークな新技術や展示を紹介する。
「iPhone 2.2」アップデートの概要が明らかに--App Storeのインターフェースなど変更
アップルは、新たな「iPhone 2.2」アップデートのリリースに向けて準備を進めている。Safariに加え、App Storeのインターフェース変更などが予定されている。
ケータイはまだまだ進化する--CEATECで見た未来の技術
幕張メッセで開催されているデジタル家電の展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、携帯電話関連の新技術が数多く展示されている。その様子を写真で紹介する。

今日の見どころ

自動車の未来を垣間見る--2008年パリモーターショーのコンセプトカー

2008年度グッドデザイン賞が発表--環境を意識した新基準も

GMのハイブリッドカー「Chevrolet Volt」、パリモーターショーに登場

レビュー

今週の新製品総チェック:新PS3が登場!ニコンが発表した映像製品「UP」とは?
「東京ゲームショウ2008」が10月9日から開催され、新PS3やXboxの新作ゲームなど、ゲーム機の大型発表が相次
[レビュー]2011年画質を備えた高画質、多機能Blu-ray--ソニー「BDZ-X95」
ソニーのBlu-ray Discレコーダー新製品が登場した。2007年から引き継がれる「やりたいことから選ぶ」シリー
今週の新製品総チェック:よりモバイルPCとして進化した「Let's note」が登場
松下電器産業の「Let's note」、デルのデスクトップPCとPC新製品が数多く登場した。Let's noteは9時間駆動
今週の新製品総チェック:フルサイズCMOS搭載のキヤノン「EOS 5D Mark II」が登場
キヤノンからもフルサイズCMOSセンサを搭載した「EOS 5D Mark II」が登場した。合わせてコンパクトデジカメ
今週の新製品総チェック:第4世代iPod nano登場、ソニー「α」、松下「LUMIX」に新機種も

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。