ラスベガス発--米国の家庭にPCを行き渡らせる手助けをしてきたBill Gates氏は、今度はすべての家庭にサーバをもたらそうとしている。
米国時間1月8日に開幕する「Consumer Electronics Show(CES)」の基調講演で、Microsoft会長のGates氏は「Windows Home Server」を披露した。Windows Home Serverは消費者がデジタル写真や音楽などを保存する際の中心的なデバイスとなるものだ。2007年にはその第一弾となる製品がHewlett-Packardなど複数の企業から発売される。目標価格は500ドル未満だ。
Gates氏へのインタビューをお届けする。なぜごく普通のユーザーがサーバを欲しがるのか、なぜコンピュータサイエンスの学位がなくてもサーバを運用できるのか、真のデジタルホームを実現するために残されている課題は何かをGates氏に聞いた。
家に複数のPCがあるなら、どのPCの電源が入っていようといまいと、常にファイルを利用できるようにしておきたいはずです。サーバにストレージを追加したら、自動的に有効になってほしいと思うはずです。そうすればドライブ名を考えたり、ファイルをあちこちに動かしたりする必要もなくなるでしょう。
冗長性が確保されるので、物理的なトラブルが起きた際もデータを復元することができます。
いいえ。こうしたデバイスが何に焦点を当ててきたのかを考える必要があります。それは簡単にセットアップできることであり、常時監視をしていなくてもよいことです。これまでリモートアクセスをセットアップするのは大変な作業でした。われわれはこの点に注目しました。すべてを復元可能にすることも、ストレージを追加することも困難でした。この製品の出来には満足しています。これはとても先導的な製品だと思います。複数のPCを持っている家庭は、この製品をとても魅力的だと感じるでしょう。
難しいのは、仕事の対価を求めるクリエイターと、彼らの作品をデバイス間で手軽に交換したいと考えているユーザーのニーズのバランスを取ることです。完璧なバランスを見つけ、関係者の合意を得た人はまだいません。われわれはコンテンツ企業に働きかけ、もう少しリスクを取り、こうしたものにもっと柔軟に対応してほしいとお願いしています。これは多少の障害となっています。
よい質問ですね。たとえば、誰でも簡単に使えるような製品が1000ドルを大幅に下回る価格で提供されれば、複数のPCを持つ家庭のかなりの部分は大いに興味を持つはずです。しかし、われわれが参入しようとしているのは新しい市場です。
この市場の規模はまだ分かりませんが、いくつかのシナリオが可能であり、当社にとってはよいビジネスとなるでしょう。この市場で使用される技術の多くは、ビジネス環境向けのサーバにも利用できるはずです。
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