Jon von Tetzchnerは肝の据わった男だ。
そのよい例を挙げよう。von Tetzchnerは今年の春、自社の新ブラウザ「Opera 8」のダウンロード数がリリースから4日間で100万件を超えたら、母国のノルウェーから米国まで泳いで渡ると宣言した。
Opera8はその目標を軽々と達成し、数日後、von Tetzchnerは「オスロの凍てつくフィヨルド」に飛び込み、米国に向けて泳ぎはじめた。
Opera Softwareは先頃、誕生から10周年を迎えた。創業者のひとりであるvon Tetzchnerは、今後10年に向けた壮大な計画を暖めている。身の程をしらないという人もいるかもしれない。しかし、von Tetzchnerはインターネット時代の最初の10年を生き抜いた。彼は、1995年に会社を立ち上げた起業家の大半がなしえなかったことを達成した。つまり、「会社をつぶさなかった」ということだ。
von TetzchnerはCNET News.comのインタビューに応じ、ブラウザ開発の未来、Microsoftとの闘い、そして「代替ブラウザ」の座を卒業し、主流に躍り出るための戦略について語った。
--Operaの未来を考えたとき、Microsoftが嫌いだという理由で、代替ブラウザを利用している人は、全体のどのくらいを占めていると思いますか。
過去5年間、Microsoftは自社ブラウザの改良にほとんど取り組んできませんでした。これは製品のアップデートを行わない期間としては長すぎます。それが世界で最もよく利用されている製品であるならなおさらです。
--しかし、それは今に始まったことではありません。どんなきっかけがあれば、人々は主流以外のものを受け入れるようになるのでしょうか。
「セキュリティに問題がある」と政府がいえば、状況は変わります。
--Internet Explorer(IE)の次期バージョンではセキュリティ機能が強化される予定です。Microsoftの主張によれば、新バージョンではIEに対するユーザーの不満の大半が解消されるとか。百歩譲って、これが事実だとすると、Operaはどのような立場に立たされるのでしょうか。
それは非現実的な前提です。Microsoftが自社製品のセキュリティ問題を修正できるとは思えません。その意思すらないように思います。もちろん、本当にセキュリティ問題が解決されるなら、それはすばらしいことです。すべてのブラウザがセキュアなものになることは、インターネットにとっても、コミュニティにとっても歓迎すべきことですから。
しかし、Operaが選ばれているのはセキュリティのためではありません。人々がOperaを使う最大の理由は、Operaの機能にあります。たとえば、セッション機能などはずいぶん前から搭載されていました。他の人は分かりませんが、私のデスクトップには常に10個から20個のウィンドウが開いています。何らかの理由でPCの電源が落ちてしまったときは、まったく同じ状態で復帰するようにしたい--Operaなら、これが可能です。マシンがハングしたり、問題が起きたりしたときも、電源を入れ直せば、同じウィンドウを開いた状態でPCを立ち上げることができるのです。
--MozillaやFirefoxといった代替ブラウザの存在は、Operaにどのような影響を与えているのでしょうか。これらのブラウザは、Microsoft製以外のブラウザに関心を持っているユーザーを奪い合っているように見えるのですが。
確かに、OperaとMozillaの間を行ったり来たりするユーザーはいます。今週Operaを使ったら、次の週はMozillaを使い、またOperaに戻るといった具合です・・・しかし、われわれには共通のゴールがあります。それはオープンな標準を普及させることです。
--オープンな標準は、Operaで正しく表示されないサイトを減らす役に立っているのでしょうか。
そうしたサイトは今でもあります。残念ながら、Operaではなく、Firefoxで正しく表示されるようにサイトが修正されることもあります。Operaの市場シェアが拡大すれば、この問題は改善されるでしょう。現在、Mozillaはこの問題に苦しんでいます。われわれも苦労しました。米国では、Mozillaはある程度の市場シェアを確保しましたので、状況は徐々に改善されると思いますが、うまく機能しないサイトはまだ相当数あります。
--今も、そのようなサイトをよく見ますか。
見ます。なぜなのかは分かりません。どうしてもうまく改善できないサイトもあります。主要なサイトはすべてOperaでも表示できるよう努力していますが、そのためには大変な苦労を強いられることがあります。
Operaでうまく表示されないサイトには、IEのバグに関わるコードが含まれていることが少なくありません。サイト所有者がIEのバグを回避するようにサイトを書き換えたために、FirefoxやOperaで正しく表示されなくなってしまうのです。Microsoftのサイトのように、あからさまに悪質なコードを垂れ流しているケースもありますが・・・
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