高機能モデルの携帯電話という特殊な市場からの脱却を目指すOpera Softwareは、機能が限定されたミッドレンジデバイス向けのブラウザをリリースした。
ノルウェー・オスロを本拠地とする同社は、「Opera Mini」を米国時間10日より配布開始した。「通常ならウェブブラウザを利用できない携帯電話を使って、ウェブにアクセスすることが可能になる」と同社は述べる。
PC向けのブラウザ市場は、MicrosoftのInternet Explorerによって独占されている。またMozillaのFirefoxも同市場でシェアを急激に伸ばしている。こうした状況の中、Operaは、携帯電話などのポータブルデバイス向けのブラウザ市場で、一定のシェアを獲得している。
Operaは、SymbianやLinux、MicrosoftのSmartphoneといったオペレーティングシステム(OS)を搭載した、比較的高機能な電話機やデバイスの市場を主な収入源としてきた。
Operaによると、2004年に出荷されたと推定される高性能携帯端末2000万台のうち、880万台に自社のブラウザが搭載されたという。同社はOpera Miniの投入により、7億台の電話機をターゲットにできるローエンド市場にも進出する構えだ。
OperaのCEOであるJon von Tetzchnerは、Opera Miniについて「既に市場に出回っている普通の電話機でも使える。インターネットを新しい市場に浸透させるのに最適だ」と述べた。
Opera Miniでは、電話機本体でなく、リモートサーバ上でページレンダリング処理の大半を行う。サーバ上でウェブページの「前処理」を行ってから、情報を電話機に送信する仕組みだ。一方、高機能な携帯電話向けに同社が既に提供している「Opera Mobile」は、PC用のOperaと同じレンダリング/ブラウジングエンジンを備える一方で、ユーザーインタフェースの一部が簡略化されている。なお、MobileとMiniの両ブラウザとも、モバイル端末の小さなディスプレイ用に表示を最適化させる「Small-Screen Rendering」技術を備えている。
Operaによると、MiniはSun MicrosystemsのJavaをサポートするすべての携帯電話で稼働するという。ブックマークや履歴などの標準的なブラウザ機能を備えるが、高度なセキュリティ機能が施されたページなど、一部のウェブページへのアクセスは制限される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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