インタビュー:永井美智子(編集部)
構成・文:岩崎史絵
2005/07/08 10:00
1995年にインターネット関連のシステム開発会社として創業し、2年後の1997年に携帯電話向けコンテンツ事業に参入してから、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けるインデックス。もはや単なるコミュニケーション機器でなく、“メディア”となった携帯電話の可能性を引き出すべく、次々と斬新な試みを続けている。
中国、欧州、北米でもサービスを展開、2005年5月には在京民放キー局など7社と提携し、「携帯電話と放送の融合」に向けた布石を着々と打っている。同社ではこの成長路線の先にある世界をどのように描いているのか。インデックス 代表取締役社長の小川善美氏に聞いた。
--この5月に「インデックスが在京民放キー局4社を含む7社に第三者割当増資を行うことを決めた」というニュースは、産業界だけはでなく一般消費者からも注目されました(関連記事)。特にテレビ局との提携が関心を引いているようですが、具体的にどのようなサービスを描いているのでしょうか。
携帯電話と放送の融合は、当社が創業当初からチャレンジしたかった分野です。今、ほとんどの家庭にテレビは普及していますし、携帯電話の世帯普及率は9割超になっています。つまり「広く、あまねくサービスを提供する」という視点でいえば、放送と携帯電話には大きな親和性があると考えています。
一方、携帯電話の進化を考えると、今後は文字や画像に加えて動画配信が主流になるでしょう。こう考えたとき、今のところ動画コンテンツを毎日大量に作り出せるのは放送業界しか考えられません。
さまざまなサービス展開が考えられますが、例えば放送局の持つ動画コンテンツを携帯電話に配信することがあるでしょう。放送局にとっては携帯電話を新たなコンテンツ提供先として活用できるようになります。利用者にとっては面白いコンテンツを簡単に入手できるようになりますし、「放送と携帯の可能性を広げる」という観点では、当社にとっても非常に興味深く、ビジネスチャンスを拡大することにつながります。つまり利用者、コンテンツ供給者としてのテレビ局、当社のすべてがWin-Winの関係になることで、メディアとしての携帯電話の可能性が広がっていくのです。
--放送局との提携ではライブドアと比較されますね。インデックスが提携に成功した理由はどこにあるのでしょう。
ライブドアの場合、既存のメディアがインターネットにすべて置き換わっていくという発想を持っていたように思います。しかし当社は、放送や新聞などと共存できるところが必ずあると考えています。そこが大きな違いです。
--まさにメディア(仲介者)として、携帯電話コンテンツの配信事業におけるインデックスの果たす役割は大きいと思います。その一方で、インデックスそのものの事業ドメインはどこにあるのか見えにくくなっていると思いますが。
確かにインデックスにはいくつかの顔があります。1つはコンテンツ制作者としての顔が挙げられます。われわれの会社だけでできることは限られるので、コンテンツの制作や供給を主力事業としている企業との提携や買収により、コンテンツ制作者としてのインデックスが形成されました。
さらに、そのコンテンツを流通させる仲介者としての役割があります。具体的にはNTTドコモのiモードやauのEZwebなど、携帯電話のインターネットサービスに対して当社のコンテンツを配信することです。ここから派生して、携帯電話のECサイトなども企画・運営しています。
逆にいえば、当社の主要事業から外れるのは、ネットワークレイヤーや端末の開発・供給の部分です。われわれが今注力しているのはサービスレイヤーであり、インフラにもハードウェアにも進出する計画はありません。こう考えるとわかりやすいかと思います。
--最近では、玩具メーカーのタカラトミー(タカラとトミーが合併してできる新会社)や、ヤフーとコネクトテクノロジーズとの合弁会社設立も話題になりました。インデックスは今後どのような方向に進むのでしょうか。
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当社のビジネスの範囲でお答えします。まず、事業が拡散しているように見えても、それは「携帯電話の求心力」の中でビジネスを進めているという前提があります。たとえばPCを使ったインターネットにしても、放送にしても、あるいは紙などのアナログメディアにしても、「それをどう携帯電話と組み合わせるか」がビジネスの出発点になります。
インデックスが携帯電話でやりたいことは、携帯電話の領域だけで事業をしていては実現できなくなってきています。また、ユーザーは携帯電話で見られるコンテンツをPCなどでも見たいと思うでしょう。インデックスの事業ドメインはあくまで「携帯電話を使って生活を便利にする」というところにありますが、携帯電話とPCや放送などを連携させたほうがビジネスは大きくなると考えています。
同時に、目線はいつもユーザーの立場に置かなくてはなりません。生活のどのようなシーンで携帯電話を活用するのか? 話すという電話の機能のほかに、コンテンツを享受するプラットフォームとしてどんなサービスが求められているのか? われわれはユーザーが何を求めているかを常に考えていますし、回線のブロードバンド化などのように技術がどれだけ進歩しても、ユーザーが求めているのはコンテンツだと認識しています。そこで携帯電話が果たすメディアとしての役割が広がり、新しい世界が描ければ、当社も協業パートナーも利用者もすべてハッピーになる。こうした観点からビジネスを推進していますし、かつ携帯電話の世界の広がりも無限にあると考えています。
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