Bill Gatesは、Microsoftが携帯電話市場への進出に手間取っているとは思っていない。同氏の考えでは、この小さな電子機器のほうが、同社のソフトウェアの性能に追いついていないということになる。
それでも、携帯電話の性能は急速に向上し、少し前のPCに迫るまでになっている。Gatesはこうした変化を、Nokiaやその他のライバルからモバイル機器用オペレーティングシステム(OS)のシェアを奪う絶好の機会と見ている。
Gatesは、Microsoftが携帯端末/携帯電話用の最新OS「Windows Mobile 5.0」を発表する前夜に、CNET News.comのインタビューに応じ、同社のモバイル戦略、携帯ゲーム市場から(今のところは)距離を置いている理由、そして挑戦者の立場も悪くないと考えている理由について語った。
--Microsoftはかなり前から携帯機器市場に取り組んで来ました。なぜ、この市場を重視しているのですか。
ソフトウェアが大きな役割を果たしている機器には、必ず当社のソフトウェアが用いられています。われわれは常に、当社にどんな貢献ができるかを考えているからです。
携帯機器市場でも、携帯電話とOutlook、Office、または当社の他のモバイルフォーマットを組み合わせることで、さまざまなことが実現できると考えています。モバイル機器向けソフトウェアの進化は始まったばかりです。この10年間の努力は実を結び、モバイル機器の性能は向上しつつあります。
--Microsoftは携帯端末/携帯電話市場で大幅に後れを取ってきました。これはなぜでしょうか。
携帯端末市場についていえば、当社の動きが特に遅かったとは思いません。そう考えるのは、Microsoftなら一夜にして莫大な市場シェアを獲得できると思いこんでいるからではないでしょうか。しかし、われわれは市場シェアを短期ではなく、超長期的な視点から捉えています。
また、われわれはハードウェアの側でも、ソフトウェアと同等の進化が起きると考えています。人々が携帯機器をデータとは縁のない用途に利用しているなら、当社に限らず、どの企業のソフトウェアも大きな役割を果たすことはできません。情報の閲覧、Eメール、メディア、そしてソフトウェアアプリケーションが携帯電話ユーザーにとって大きな意味を持つようになったときに、初めて当社のソフトウェアが真価を発揮することができるのです。
2年前に、当社のソフトウェアを搭載した端末を扱っていたのは欧州のOrangeだけでした。3年前までさかのぼると1社もありません。ところが今回は出荷前から、40カ国以上の68の通信事業者が、Windows Mobile 5.0を搭載した携帯電話の発売を決定していました。この数は年末に向けて、さらに増えるはずです。Nokiaなどに比べると、当社の市場シェアはわずかですが、この数字は今後、堅調に伸びていくと思います。
--携帯電話とその他の無線技術は、興味深い形で交差するようになっています。Wi-Fiはどのような形で携帯電話に統合されると思いますか。
Windows Mobile 5.0の特徴のひとつは、無線ネットワークへの接続が簡単になったことです。当社のOSを搭載した初の3G(第3世代)携帯電話も登場する予定です。
Windows Mobile 5.0は、BluetoothとWi-Fiもサポートしています。広域無線とWi-Fiの両方に対応した携帯電話の開発を検討している企業もたくさんあります。具体的な販売計画や価格については、各メーカーの発表を待つことになりますが、多くの企業がこのような携帯電話の開発を進めていることは確かです。
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