状況は日増しに良くなっていますが、ただし期待通りに事が運んでいるというわけではありません。価格が下がっているため、当初期待したような売上の伸びは実現されていません。コンピュータメーカー数社ともパートナー契約をかわしましたが、彼らのビジネスが軌道に乗るにはまだしばらくかかります。一方、ソフトウェアパートナーの数は、2003年の46社から、2004年には531社と大幅に増えています。SuSE Linux公認のアプリケーションは1100もあります。
営業部門については、マーケティング方法を見直しました。これまでは、NetWareからの売り上げを維持するしかありませんでしたが、現在はLinuxやID管理製品といった新しい製品の販売に注力しています。われわれは、2年計画で販売部門の再編を進めており、今はその途中の段階です。販売代理店はLinuxに非常に興味を持っています。彼らはかつて、NetWareのユーザをWindowsに乗り換えさせて大きな利益を得ました。今度は、WindowsユーザをLinuxに乗り換えさせようと考えているのです。
--携帯電話やスロットマシンのような組み込みLinux市場への参入にはあまり熱心ではないようですが。
参入の機会はいくらでもありました。新たな市場に挑む気があるかというご質問でしたら、市場はそれほど甘くないとお答えしておきます。
--組み込みLinuxの専門企業を買収するつもりはありますか。
そうした製品やツールを開発している何社かの企業には注目しています。もっとも、今はそうした企業を買収するかどうかということより、他にやるべきことがたくさんあると考えています。
--MontaVistaには興味はありましたか。
MontaVista、Wind Riverのほか、多くの企業が組み込み用のLinuxを開発していますね。現時点では、具体的なことは何も考えていません。ただし、Linux組み込み市場で安定した売り上げをあげるには、ユーザが次世代の組み込みデバイスを開発できるようなツールを販売するしかないと思っています。
--昨年、副社長兼Linux担当重役だったChris Stoneが退職しましたが、何があったのですか。
マスコミには、Novellを仕切っていたのは彼であり、他の人間は何もしていなかったと書かれていますが、彼とはLinux化戦略の実施方法に関して意見の相違があっただけです。ですから、Linux化したこと自体は良かったのです。社員もLinux化については非常に満足していると思います。
--どのような意見の相違があったのですか。
公平を期すために言っておきますが、Chrisは非常に才能のある人物で、私も彼のことは非常に好きです。ただし今回は、彼の経営スタイルが社の方針と合わなかったということです。
--現在COOを探していますか。あるいは、ご自身の代わりとなるCEO候補者は。
いいえ。私は今のポストにずっと留まるつもりです。私はNovellで働くことが好きなのです。私は20年前、Novellの設立に携わりました。取締役会も私を支持してくれると思います。
後継者の問題はいつもありますし、常に優秀な人物を捜しています。われわれに欠けているスキルを持った人物に経営に参加してもらう必要があります。特にマーケティングの分野はNovellの弱点です。それが分かっていたから、Bill Hewittを採用したのです。
利益を出せる体質を維持したいので、あわてて新しい人材を雇用して無駄な経費をかけるつもりはありません。経営幹部を捜していることは否定しませんが、今後の具体的な方針が決まっているというわけではありません。
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