「SNSの開発者向けプラットフォームの本家は我々だ」MySpaceのCTO語る

鳴海淳義(編集部)2008年04月14日 14時09分

 マイスペースが3月27日より、ソーシャルネットワーキングサービス「MySpace」上でアプリケーションを構築できるプラットフォーム「MySpace Developer Platform」(MDP)を日本向けにも公開した。

 MDPを活用すると、外部開発者がMySpace上に自由にアプリケーションを構築することが可能になる。さらに、そのアプリケーションを通じて得られる広告収益などは、100%開発者のものになる仕組みだ。

 来日した米国MySpaceのCTOであるAber Whitcomb氏に、MDPの立ち上げやOpenSocialへの取り組みなど、MySpaceにまつわる最近のトピックについて聞いた。

--日本向けのMDPがスタートしましたが、日本人開発者に何を期待していますか。

080411_myspace1.jpg米国MySpace CTOのAber Whitcomb氏

 MDPはグローバルなプラットフォームだ。MySpaceで開発し、公開したものは世界中の1億1000万のユニークビジターがすぐに使えるようになる。

 MySpaceの目的は、開発者の方に、クリエイティブで、自己表現ができるようなアプリケーションを開発してもらうことだ。日本発のアプリケーションを見てみたい。

--現在の米国SNS市場で、MySpaceはどんなポジションにいるのですか。

 SNS市場では、我々は米国においても世界においてもダントツトップだ。特に米国では2位のサイトの2倍の規模になっている。ユニークビジター数でいうと2位はFacebookだね。

--最近の印象だと、Facebookがだいぶ追い上げているようですが、MySpaceにとっては脅威ですか。

 MySpaceがFacebookの2倍の規模であるのは間違いない。当然、世界中の市場で競合はいるから、競合他社に対しては常に目を光らせているよ。

--今回MySpaceが発表した、開発者向けプラットフォームは、Facebookが以前から同様のものを公開しています。かなり意識していますよね。

 我々の見方では、この開発者向けプラットフォームというのは、MySpaceの方が本家だ。もともとユーザーが自分のページをカスタマイズできるようにしたのも、アプリケーションをサイトに組み込めるようにしたのも、はじめはMySpaceからだ。我々が4年半前にサイトをオープンしたときには、それができるようになっていた。そういった開発者プラットフォームをずっとサポートしてきたけれど、今回はそれを正式にMySpace上でできるようにしたよ、と発表したということだ。

--つまり、これまでもMDPと同じことはできたが、正式に声明を出していなかっただけ、ということなんですね。

 そのとおり。立ち上げ当初からできていたことだ。開発者はそれを活用してきた。ユーザーも自分のプロフィール上にアプリケーションを組み込むことができるようになっていた。

080411_myspace2.jpg 3月27日に公開された「MySpace Deveroper Platform」日本語版

--MDPの興味深いところは開発者がMySpace上で公開したアプリケーションから収益を上げられることです。これは海外でも同じ仕様ですか。

 海外でも開発者向けに用意される「キャンバスページ」上で収入を得られることができるようになっている。例えばキャンバスページ上に広告を挿入すると、その広告収益は100%開発者のものになる。

 現在、MySpaceのギャラリーには600以上のアプリケーションがあって、それぞれのアプリケーションに何らかの広告を挟み込むとか、あるいは他のサイトに誘導して収益を上げるというようなことが可能だ。

 ユーザーはMySpace上でアプリケーションの恩恵を受けられるのだから、やはり開発してくれた人にも何らかの報酬がなければならないと思っている。

--多い人でどれくらい儲かっているんですか。

 アプリケーションのインストールランキングは把握できる。ただし、そのキャンバスページを持っているのはアプリケーションの開発者であって、どれだけページにトラフィックがあったのかはこちらでもわかるが、それによってどれだけ儲かったかは我々にはわからない。知っていれば教えてあげたいんだけど。

 ただ、MDPによるアプリケーションビジネスで成功している開発者がいるのはわかっている。

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