うーん、どうでしょうね。例えば、似たようなものが出てないサービスも無くはないと思っています。例えばブログにキーワードをリンクするとか、スターもまったく同じようなものはないんじゃないかとか。ただ、それを翻訳すれば受け入れられるかというと、それは別問題だと思いますし、そういう意味では新しいもので挑戦した方がいいってことも考えられる。
なので、まあスターから出してるってことは、ここを入り口として攻めていこうっていう決断をしているんです。ここからは本当に試行錯誤の連続だと思います。当たるまでやるってことかなと思うんですけど(笑)。
「褒めることしかできない」って書いたのは大きくとられ過ぎたなぁって思っていて、失敗したかなと(笑)。けっこう自由に使ってもらえればっていう感じだったんですけど、一つ思ったのが、ブログがまだ完成してないというか、全然改良の余地があるということです。
というのは、今は“本当に強い人”しかブログを書けないじゃないですか。変なことを書くと、突然すごい人たちがやってきてお祭りになって、なんかこう「別にあなたたちと喋りたくてこんなことやってるんじゃないんだけど」っていうようなところまで土足で上がっちゃうみたいなところがあって。
確かに普通の人でインターネット文化とかには興味ないけど、ちょっと日常生活のおもしろいこと書きたいって人が「SNSの方がいい」っていうのはわかる気がするんですよ。でもやっぱりどこかでブログにこだわりがあるのは、そこに籠もっちゃったら他の人には何も届かないから。
インターネットの良さってどこかで世界の人につながる可能性があるっていうところだと思うんですね。そこがどうしても諦められなくて。
わざわざ外に書くようなことじゃないってことでも気軽に書いて、さらに良いことがそこで起こるっていう連鎖反応みたいなことが起こせれば、もう少し使ってくれる人も多くなるだろうし、世の中にとってもいいんじゃないかなと根本的に思ってるんですね。
そのなかで今の問題は、パブリックなとこで書くと怖い思いをするとか、よくわからないことを言われるみたいなことだと思うんですけど、でもそれが全部なくなればいいとは思わないんですよ。やっぱり批判的な意見は建設的であることも多いし、いろいろな立場の意見があることはいいことだと思うんです。
少なくとも、例えば普通の文章を書いてて、読む人は「へーっ」て思うくらいの感じだと思うんですね。そのときに「へーっ」て思ったという事実がその人に届いてれば、そんなに辛い思いをしなくても済んだはず。そういうことがすごく多い気がしてたんです。
最後まで読むってすごいことじゃないですか、人の書いた文章を。これだけ情報が溢れていて、文章なんていくらでもある中で、たまたまその人の日記を上から下まで全部読んだっていう事実だけでも本当にその人に届けるべき出来事だと思ったんです。それが今は可視化されてなくて、そういうことをちゃんと目に見えるようにしたいと思って、はてなスターを作ったんです。
そうですね。こだわりがありますね。でも、いわゆるブログっていう名前で規定される形態にこだわりがあるわけじゃないんです。別に世界中に公開することがいいとは思わないんですけど、自分の行動範囲の一歩外まで見えるようにするだけで、自分がインターネットの中でやってる活動の価値が増えるじゃないですか。
例えばある映画を見て「楽しかった」って書いただけでも、「実は本当に同じようなことを自分も思ってたんです」っていう人の目に留まる可能性があるかもしれない。それはすごくいいことじゃないですか。それはリアルの世界ではできなかったことがインターネットだからできるようになったという大きな可能性だと思うので、そこは諦めたくないですよね。
本来、今はアメリカにいるはずだったのが、ビザの取得で伸びちゃって日本にいるんですけど、向こうに戻ったら、アメリカのユーザーさんに本当にゼロからスタートするつもりでサービスを出して試してみたいと思っています。
今でも英語サイトは出てますし、普通に使おうと思えば使えるんですけど、ほとんど立ち上がってない状況にあって。でもそれを初心に戻って問いかけていきたい、チャレンジしたいって思いますね。1年間というと、それだけで必死になるんじゃないですかね。
会社を京都で作ったときが2001年でしたけど、アンテナが出て、日本でのユーザー数が3万人になるのに1年くらいかかったので、それくらいはかかっても仕方ないという気はしますけど。でもできなくはないと思うんです。それを頑張りたいです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」