ソニーが4月にオープンした動画投稿サイト「eyeVio」は、プライベート動画を友人・家族間で共有するコミュニケーション志向型サービスという位置づけで、これまで物理メディアで動画の受け渡しを行っていたユーザーにネットサービスならではの利便性を提供するのが狙いだ。
動画サイトとしては後発となるが、WalkmanやPSPだけでなくiPodとも連携可能など、そのオープン性も話題となっている。
中心となって開発を行ったのはソニーのコーポレートディベロップメント部/ネットメディア開発室。エレクトロニクスにもエンターテインメントにも属さないレイヤーから、ソニーグループ全体でのネットメディア活用を推進している。
同室チーフプロデューサーの本間毅氏に、垂直統合から脱却したeyeVioの戦略について聞いた。
ある意味動画って特に日本国内においては空白地域だと思うんです。YouTubeはコピー動画を流し続ける、あまりソニーとは縁のないサイトで、かつ米国産で英語ですよね。日本で個人向けの動画をきちんと楽しめるサイトはないですし、動画は我々とは切っても切り離せない領域なので、やはりそこをネットの中でどうにかしていく。ある意味自然な選択だったと思います。
もちろん見に行っておもしろいサイトは空白ではありませんし、むしろ乱立しています。ただ、自分の撮った動画を簡単にアップロードして友達と楽しむようなプライベートなコンテンツもシェアできる場所はそんなにあるとは思っていません。
例えばYouTubeにアップロードできますけど、どちらかというと晒すようなイメージというか、セキュアにできませんので、そういう意味での違いというのは大きいかなと。やはりコミュニケーションで動画を使うというところでは、携帯電話でも写真をメールに添付するというのが主流ですし、その辺りはまだまだです。
そうですね、TSUTAYAに絶対置いてないコンテンツですから。我々のキーワードはライブ感とエモーションなんです。TSUTAYAに行けばハリウッドですごいお金をかけて作ったコンテンツがあり、個人ユーザーはちゃんとそれを楽しんでいます。一方でそういったものを観る時間を割いてでも、自分がぜひ観たいと思えるものっていうと、やはり一つは自分に向けて共有されてきたパーソナル、プライベートな動画コンテンツだったりするわけですよね。
何を差し置いても観たいっていうところは感情にすごく依存してきますので、個人が共有している動画っていうのはある一定のニーズをきちんと満たして行く上で、きちんとお客様のニーズを捉えていくようになると思います。でなければソニーのデジカメもハンディカムも売れませんから。
この瞬間を今すぐ届けたいと思って動画を撮っているときって、自分としてはすごくわくわくするし、楽しいと思うんです。そういう体験が我々のサービスによって増幅できて、かつそれが他にない唯一のオンリーなコンテンツとして相手側に受け取られることが大事な部分じゃないかと。
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