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5年目を迎えた「KDDI∞Labo」の成果--ラボ長・江幡氏と経営共創基盤・塩野氏に聞く

2016/02/10 07:00
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 2011年にスタートして以降、5年間にわたって多くのスタートアップを支援してきた、KDDIのインキュベーションプログラム「KDDI∞Labo」。2月22日には、第9期の参加チームが、KDDIとパートナー連合とともに過ごしたプログラムの成果を披露する9th DemoDayが開催される。

 第9期プログラムの卒業を間近に控え、これまでのプログラムの取り組みや今後のスタートアップの展望などについて、ラボ長であるKDDI バリュー事業本部 新規ビジネス推進本部 戦略推進部長の江幡智広氏と、プログラム参加者を経営面で支援してきた経営共創基盤(IGPI)の取締役 マネージングディレクターである塩野誠氏に聞いた。

KDDIの江幡智広氏(右)と経営共創基盤の塩野誠氏(左)
KDDIの江幡智広氏(右)と経営共創基盤の塩野誠氏(左)

--改めて第1期から現在の第9期を振り返ってみて、スタートアップがどのように変化したと感じていますか。

江幡氏 : KDDI∞Laboの初期の頃から関わっていますが、広くインキュベーションプログラムを展開するのは初めてでしたから、スタートアップに対する向き合い方を理解するのに2年くらいかかりました。応募してくるスタートアップも、現在まで相当変わってきていますし、試行錯誤の繰り返しですね。

塩野氏 : やはり期ごとにトレンドがあって、巷で注目されているバズワードに影響される傾向は強いです。最近ですと、IoTやFintech、O2Oが増えています。

江幡氏 : 初期の頃はソーシャルメディアでCGMで……というのが人気で、「日本でもFacebookが狙える!」というものばかりだったように思います。これまでにない事業領域を作ろうという意気込みの一方で、マネタイズはユーザーを獲得した後に考えるという企画も多かったですね。

塩野氏 : その頃はサービスの収益源も広告一辺倒でした。最近ではユーザーが慣れてきたこともあって、課金やサブスクリプションをベースとしたものも増えていますし、一時はフリーミアムモデルがどっと増えたこともありました。最近では最初からB2Bを目指すチームも増えていますから、ずいぶん変わったと思います。

--スタートアップが全体的にこじんまりとしてきた印象もあるように感じます。

江幡氏 : 難しいところですね。B2Cを模索しているところは現在でもありますが、初期の頃に支援していた人たちの目がB2Cに多く集まる傾向が強く、そこにお金も集まっていたのが大きかったというのはあると思います。

塩野氏 : 何をもって大きいかということもありますが、各チームには大きな市場を狙った方がいい、1000億円規模に満たない市場でなければ難しいとアドバイスしています。最近だと人工知能(AI)の人気が高まってきていますが、AIは「世界を変える」という意味では大きいものの、サービスに落とし込んで売上に結び付けるのは難しい。

江幡氏 : 第8期で最優秀賞を獲得した「シンデレラシューズ」は靴産業をターゲットとしていますが、この産業領域も決して小さくないですし、1000億から何兆円という市場を創出する可能性があると感じています。

市場規模について語る江幡氏
市場規模について語る江幡氏

塩野氏 : そういった意味でいうと“カテゴリキラー”を目指すチームも増えましたね。元々その業界で仕事をしていたので、そこにICTを持ち込みたいとか。そうしたこともあってか、Facebookなどのプラットフォームを作るより、すでにあるプラットフォームの上でサービスを展開するというスタイルが増える傾向にありますね。

--第9期からはハードウェアのスタートアップ支援も始めましたが、こちらの応募は増えているのでしょうか。

江幡氏 : 増えてはいますが限定的ですね。ソフトウェアの場合、プログラマーがいればサービスをリリースできますが、ハードウェアはプロトタイプを作るまではできるものの、ダウンサイジングや量産化の知識を持つベンチャーがほとんどいません。KDDI∞Laboでも、量産化までをサポートする体制を作っていく必要があると感じます。

塩野氏 : シリコンバレーのハードウェアベンチャーも、雑なところが多いですね。ハードは発火したら(製品として)おしまいですから、ソフトと比べて大変な部分が多いと思います。そうした意味でも、大企業で設計をしていた人などに起業してもらいたいところです。

江幡氏 : ソフトウェアのスタートアップに関しては、起業家が増えてさまざまなイベントが実施され、同じようなステージの起業家がどんどんつながっています。ですがハードはそうした環境がまだまだ少ない。今はハードとICTを組み合わせる仕組みが求められているため、ハード設計とサーバの知識が求められますが、現時点でそこまでできるところは少ないでしょう。

塩野氏 : 最近では「Raspberry Pi」や「MESH」などが出てきていて、ソフトでいうところの誰でもプログラミングができる環境が、ハードでも整いつつあるように感じます。こうした環境に馴染んだ子どもたちが成長した時に、ハードとソフトを融合したスタートアップが多く誕生してくるのかもしれないですね。

--第7期からは、新たに「パートナー連合プログラム」を開始し、KDDI以外の企業にもスタートアップ支援への参加を実施しています。その影響はどういったところに現れていると感じていますか。

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