Googleが2008年9月に「Chrome」を発表したとき、人々はその必要最小限の機能しかないブラウザを笑った。拡張機能もなければブックマークもなく、「Mac」版もない。それに何と言っても、ブラウザをもう1つ必要な人がいるだろうか。
今、Chromeを笑う人はいない。
シニアバイスプレジデントのSundar Pichai氏のリーダーシップの下、Chromeはその実績を飛躍的に伸ばしてきた。Net Applicationsによると、5人に1人がChromeを使っているという。Googleの考えはウェブ標準の世界では評判が良くないが、同社はこのブラウザを、その技術面での計画の推進に活用している。Chromeは「Chrome OS」の基盤になっている。また、Googleは「Android」版のChromeをリリースしたばかりだ。Googleの最高経営責任者(CEO)を務めるLarry Page氏の下で、Chromeは同社10部門のうちの1つだ。また、人々がウェブアプリを購入できる「Chrome Web Store」がある。そして、このブラウザのGoogle社内での重要性を反映するように、Chromeの広告が屋外広告や地下鉄駅、テレビなどで展開されている。
ブラウザのイノベーションを促進するだけで十分な目標になった時期は、遠い昔となった。Chromeは、Googleの最も重要なブランドの1つになっており、同社のサービスの入り口という意味もある。
さらなる計画も進行している。Android版Chromeの改善や、Chromeからの直接の収入を増やすことなどだ。Pichai氏は、米CNETのStephen Shankland記者が先週行ったインタビューで、そうした取り組みについて語った。以下に、同インタビューを編集したものを掲載する。
--Android版Chromeのダウンロード回数は、10万回から50万回程度に達しています。この普及の度合いについてどうお考えですか。
Pichai氏:Android版Chromeはベータ版であることと、「ICS」(「Ice Cream Sandwich」の略。「Android 4.0」とも。市場への浸透度は低い)でしか利用できないことを考えれば、この状況には非常に満足しています。ほとんどの人は、Chromeをタブレットで使ったことがないと思います。人々は、タブレットでもChromeの良い面を数多く見つけるでしょう。われわれは、好意的なフィードバックを受け取っています。また、機能面のリクエストはそれほどありません。
われわれは、Android版Chromeのリリースをかなり速いペースで続けていくつもりです。これから1年で、飛躍的に前進するでしょう。
--評判の良い部分と、そうでない部分を教えてください。
Pichai氏:Android版Chromeは速度が速いというのが一般的な声です。また、Sync機能(PC上のChromeと、Android版との設定を共有する機能)も好評です。タブスタック(ブラウザタブを切り替えられる機能)は、見た目がすっきりしていると言われています。
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