ひきこもりからIT企業の社長、そしてカフェのオーナー――実業家としてさまざまな企業に関わる一方、自身もシリアルアントレプレナーとしてソーシャルパトロンサービス「CAMPFIRE」を立ち上げ、最近はスナック経営にも興味を示しているエキセントリックな人物がいる。paperboy&co.の創業者、家入一真氏だ。いくつもの顔をもつ彼が最近注力していること、それがエンジェル投資家としての活動だ。
彼はこれまで個人で数十社への個人投資を行っているが、新たに設立した「パーティーファクトリー」に集約させ、次世代のスタートアップを育てるべく、その活動を本格化させている。彼はどのように起業家と向き合い、どのような未来を目指すのか。
実はこれまでもちょくちょく個人で出資していまして。そう、エンジェルみたいな感じで表舞台に出ることががよくあったので、出資の依頼などを数多く頂いてました。大学生とか、「コイツおもしろいなー」と思う人たちですね。ただ全員が全員成功するとは思ってないんです。出資の判断で見ているのも事業よりやっぱり人だったり。「ああ、今回はダメでも次、もしくはその次には恩返ししてくれるだろう」という人に少しずつ出資していました。
本格的にスタートアップを応援はしたいんだけど、ファンド作ってベンチャーキャピタルをやるのは少し違うなと思っていたら、松山太河さん(クロノスファンド、EastVentures共同パートナー)にアドバイスをもらって、株式会社形式でも投資できることが分かって作ったのがパーティーファクトリーです。太河さんにも取締役で参加してもらって一緒に作ることにしました。これまで個人で投資してきた会社はそこにすべて集約していこうかと思ってます。
資本金1500万円でまず設立して、年内か年明けにでも増資を考えてます。資金が全部なくなったら「パーティーファクトリー2」を作る……かどうかはまだ未定ですが。
まだノーアイデアです。だけどあんまり固く考えたくないな、と思っていて。いろいろ周りを巻き込んで、イベントなんかはやっていきたいと思っています。
あんまり年齢は関係ないかな。やっぱり感覚。そう、結局感覚ってなっちゃうとそれ以上なんにも言えなくって。ペパボ(paperboy&co.)の時もそうだったけど、取材で「企業理念は?」とか聞かれても困っちゃって……。人数が増えるとさすがに言葉にしたけど、本当は“肌感覚”というか、言葉にしなくてもなんとなく伝わってたものがあったんです。今だから言えるけど、実は採用とかも肌感覚だったりしました。
うーん。あえていうなら“泥臭い感じ”かな。起業家はもっとドロドロしたほうがいいと思う。「お金が欲しい」とか、何か根っこに持ってる人。たとえば野口卓也くんとかがそういう人かもしれない。彼は母親が偉大で(筆者注:野口卓也氏の両親はピーチ・ジョン創業者)それを超えたいというコンプレックスみたいなのが見え隠れして。20代で失敗して今回が二回目の起業(編集部注:野口氏は2009年に電子書籍のベンチャーを創業していたが、同社を精算。現在はアズー、S&Lクリエイトの2社を新た設立して、家入氏からの出資も受けている)。彼のように人間臭い、泥臭い人間には惹かれるものがあります。人間に粘りがあるよね。
シモダくんという元ペパボのメンバーがやってる「バーグハンバーグバーグ」という会社があるんですけど、本当におもしろいんだよね。彼はおもしろおかしく話せるプロフェッショナル。「オモコロ」っていうメディアを作っておもしろい人たちを集めた。おもしろいことで仕事をしているように見えるんだけど、その裏で結構地味な努力をしている。
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