何十何百と数え切れないほど存在する中国のトンデモケータイメーカー。毎日のように登場する新機種たちも、ケータイショップの店頭で目立たなければ商品価値すらなくなっていく。1カ月もすれば「あぁ、旧機種ね」なんて言われてしまい、見向きもされなくなる連中も多いのだ。そのため、メーカーによっては「端末のパッケージだけでも派手にしよう!」と機能やスペックをずらりと並べたり芸能人の写真を勝手に使ったりして、好き勝手やっているところもあるのだ。
さて、今回発掘したトンデモケータイはその逆で、パッケージはとてもシンプルだ。ケータイショップの棚に整然と積み重ねられていたのだが、これがケータイの箱だとは最初理解できなかった。だって、パッケージには機種名やら簡単な機能くらいは記載されているはずだし、製品の本体写真デカデカと写っているのが普通だろう。ところが今回買った製品には、そのどれもがないのだ。というか、携帯電話であることを一切アピールしていないパッケージなのである!
そのパッケージとは「木箱」。はい、木の箱ですよ箱。ダークブラウンの落ち着いた木箱が並べられても、これにケータイが入っているなんて想像することは無理ってもんだろう。筆者も最初は「ん?ハーモニカとか煙草のパイプでも売っているんだろうか」などと勘違いしてしまったくらいである。ショップの店員さんに「これ何?」と聞いたら即座に「ケータイに決まってるだろ!!」と言われ、「んなもん店員以外がわかるわけねーだろ!!」と心の中で日本語で叫んでしまったのであった(店員との会話は当然中国語ね)。
この木箱、トップは傷防止のため保護の透明フィルムが貼られている。剥がしてみるといきなりもうフィルム裏面の糊がひっついちゃっており、こんなところにさっそく「トンデモクオリティ」を感じてしまう。でも鍵や蝶番(ヒンジ)などはちゃんと金具を使っているし、木箱の裏も布張っているなど箱そのものはきちんとしている。しっかし、何でこんな木箱をパッケージにしているんだろう。店員さんに「これ何のケータイ」と聞いて返ってきた答えは……。
あーこれ、
「禅ケータイ」
って製品なんだよ
ぜ、禅ケータイ?いったいなんじゃそりゃぁ!?もしかして仏教をテーマにしたケータイってことなの?仏教ケータイといえば以前紹介した「南無阿弥陀仏ケータイ」こと「ODIN 99」が存在していたが、再び登場してしまうなんて、やはり中国は仏教の国ということなのだろうか。木箱のパッケージもそれなら納得なのだが、せめて中に何が入っているか何らかの表示くらいはしようよ、メーカーさん!──って、例によってメーカー名は不詳なので本気で売るつもりがあるのかはまったくわからないのである。
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