「インターネットに流れ込むすべての情報(ビット)は、そのビットを解釈するために必要なアプリケーションが利用できなくなってしまうという意味で、いずれ腐敗していくと考えられる」。Cerf氏は、自身が「ビット腐敗」と呼ぶ問題が拡大していくことに警告を発する。
インターネットにおけるユーザー生成コンテンツの爆発的な増加、そしてコンテンツをインターネットにアップロードする際に使用される多種多様なフォーマットから、未来の世代のために、今蓄積しているデジタル情報を解釈する技術を守る方針を定めることが絶対に必要だ、とCerf氏は確信している。
「想像してみてほしい。今は西暦3000年で、Google検索を実行したところ『PowerPoint 97』ファイルを発掘したとしよう。あなたが今使用しているのは『Windows 3000』だ。問題は、Windows 3000がこのPowerPointファイルを解釈する方法を知っているかどうかだ。答えはおそらくノーだろう」(Cerf氏)
Cerf氏によれば、この情報を維持保存するためには、アプリケーションソフトウェアやOSはおろか、アプリケーションが認識できるようにハードウェアのエミュレーションまで保存する方法を見つけ出す必要があるという。
「2009年1月、わたしはエジプトにあるアレクサンドリア図書館を訪れた。この図書館には1000年以上前の写本が収められており、現在もこれらを完全に利用することができる」(Cerf氏)
「同じこと(将来も確実にデータを利用できるようにすること)をしておかなければ、われわれの子孫は、われわれや21世紀についてどう思うだろうか。彼らにとってわれわれは、単なる巨大な腐敗ビットの堆積物になってしまうだろう」(Cerf氏)
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