PS3、ウォークマン、VAIO--本業回帰を図るソニーの復活のカギはどこに?

文:CNET Japan ITランキング調査団
構成:プラスワンデジタル
2006年09月08日 08時00分

 ソニーの評判が揺れ動いています。遅れをとったハイビジョンテレビは、液晶パネルの生産態勢を整えるにつれて世界市場のシェアを挽回しました。しかし8月には、ソニー製のノートパソコン用リチウムイオンバッテリーに発火問題が浮上し、大規模なリコールに発展。回復基調に水を差すのではないかと懸念されています。また、基幹部品の生産が遅れたことで、次世代ゲーム機「PLAYSTATION 3」の欧州での発売が延期になることも発表されています。

 こうしたなか、消費者に「ソニー」はいま、どう受け止められているのでしょうか。そこで今回は、みなさんの「ソニー観」について調べてみました。まず現在、ソニーがどんな形で生活の中で親しまれているかを探るため、普段から使っている製品やサービスを尋ねたところ、上位10品目は次のようになりました。

●普段から使っているソニーブランドの製品やサービスは?(複数回答)

1 家庭用ゲーム機 45.9%
2 パソコン 22.1%
3 携帯型デジタル音楽プレーヤー 21.9%
4 ブラウン管テレビ 18.3%
5 メモリーカード 15.5%
6 音楽コンポ、ラジカセ 14.4%
7 コンパクトデジタルカメラ 13.0%
8 ビデオデッキ 10.5%
9 ビデオカメラ 10.5%
10 スピーカー、ヘッドフォン 9.8%

NetMileリサーチに登録した全国の1000人の男女に9月4日〜5日に調査。以下同じ

 普段から何らかのソニーの製品やサービスを使っている人は、全体の85.0%に上りました。

 そのなかで圧倒的な使用率を誇ったのは、「PlayStation 2」に代表される家庭用ゲーム機でした(45.9%)。ソニーは1994年の参入から12年にわたって覇権を握り続けているだけに、この数字は当然といえるでしょう。来る11月11日には、後継機のPLAYSTATION 3が発売されます。いままでのようにトップの座を守れるのか、その動向が非常に楽しみです。

 2位にはパソコンが入りました(22.1%)。1997年に、ソニーがパソコン市場に再参入した「VAIO」は、スタイリッシュなデザインも受け入れられて、瞬く間に人気ブランドの地位を確立しました。さらに「バイオノート505」シリーズで、モバイルノートパソコンという市場を開拓したのも、小型化や軽量化を得意とするソニーならではの功績といえるでしょう。

 ソニーの代名詞ともいえる携帯型デジタル音楽プレーヤーの「ウォークマン」は、5人に1人が使っていました(21.9%)。アップルコンピュータの「iPod」の人気に押され気味ですが独自フォーマットであるATRAC3のほか、MP3やAAC、WMAなどの主流フォーマットに対応させるなど使い勝手を向上させています。

 ソニー製品は多くの人に親しまれていますが、ソニーのここ数年の業績は低迷しています。そこで本業のエレクトロニクスに回帰し、復活を図ろうとしていますが、そのカギはどこにあるのでしょうか。

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