iPodのブレイクによって、アップルというブランドネームはコンシューマー市場において圧倒的に大きなものになりました。インパクトのあるマス広告を打ちまくったことも寄与しているでしょう。それにより、「Macは持ってないけどよく知ってるコンピュータメーカーはアップル」という人が大量に出現しました。そんな彼らに「今度買うパソコンはMac」と選んでもらう上で、「XPも使えるよ」というメッセージはもっとも直接的かつ説得力のあるものだったのでしょう。
しかしそればかりとも言えません。「Mac OS X、Windows XP両方のOSを1台で使いたい」(36.3%)、「Mac OS Xの安定性、堅牢性に期待」(31.1%)という結果からは、Mac OS Xに対する興味が伺えます。また、「Macで使いたいソフトウェアがある」(18.3%)が示しているのは、アップルのデジタルライフアプリケーション「iLife」などへの興味ではないでしょうか。iPod+iTunesという名の魅力的な「トロイの木馬」によって、アップルはWindowsユーザーのマインドへの侵入に成功していたと見ることもできます。
さらに、「ネットサービスが中心になればOSは関係ない」(16.7%)という結果にも注目しておきたいところです。もはや、「Windowsでなければ」「Macでなければ」という時代ではないと彼らは言っています。主役はネットのあちら側にあるということが常識になってきていることを感じます。
Macを買いたくないと言っている人たちの声も聞いてみましょう。かつてはMacとWindowsを比べたりしようものなら宗教戦争のような様相を呈したものですが、「ハードの拡張性がない」(18%)、「ブランドイメージが嫌い」(11.5%)が少々目立つものの、Macを積極的に嫌う意見はむしろ少数派。
「今使っているOSを使い続けたい」(71.3%)、「周囲にMacを使っている人がいない」(54.4%)、「Boot Campに興味がない」(30.7%)のように、現状維持で充分だからという無関心派が多かったです。また、「仕事で使えないから」(35.2%)という現実的な理由もありました。
最後に、「じゃあMacユーザーの人はXPを使いたいの?」ということを尋ねてみました。「はい」が72.2%でした。
WindowsユーザーはMacを買ってもいいと言い、MacユーザーもMac OS XとWindows XPと両方使えてハッピーなのだとしたら、Boot Campのリリースは、とても強力で効率的なマーケティング施策と言うこともできそうです。
たとえば、CNET Japanの「ラウンドアップ:Macに「デュアルブートの時代」到来」でもまとめられているように、Boot Campに対しては、ユーザーはもちろん、各メディアの記者やアナリストたちがさまざまな意見・感想を述べていて、その影響力の大きさをうかがい知ることができます。
Intel MacとBoot Campの登場は、パーソナルコンピュータ市場におけるMacのシェアを押し上げることができるのでしょうか。Macに追い風が吹いている。そのことだけはとりあえず間違いなさそうです。
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