これまで携帯電話キャリア向けのモバイル広告を扱うキャリアレップとして、NTTドコモ系列のディーツーコミュニケーションズ(D2C)、KDDI系列のmedibaを見てきた。
携帯電話業界第3位のボーダフォンのキャリアレップ、それがジャパン・モバイル・コミュニケーションズ(J-MOBILE)だ。
J-MOBILEはボーダフォンとサイバー・コミュニケーションズ(cci)が2001年に設立した合弁企業で、ボーダフォンのインターネット接続サービス「ボーダフォン ライブ!」向けのモバイル広告を手がける。
キャリアレップの場合、親会社のキャリアの契約者数がそのまま広告のリーチ力につながる。ボーダフォンの契約件数は2006年3月末時点で1521万件となっており、NTTドコモ(5114万件)やKDDIのau(2270万件)に大きく差をつけられている。
このような状況のなかで、J-MOBILEは今後どのように戦っていくのか。代表取締役社長の山?浩人氏に話を聞いた。
モバイル広告市場の伸びが年率150%程度であるのに対し、J-MOBILEの売上高は年率200%程度で成長しているという。それでも、「携帯電話の契約件数が9000万件と考えると、モバイル広告業界はその潜在力を発揮しきれていない」と現状には満足していない様子だ。
市場全体の拡大のための取り組みとして、力を入れているのがD2C、medibaと共同で開発した広告メニュー「3とく」だ。これは3社が広告の仕様を共通化し、広告主が3社に対して一度に広告を出稿できるというもの。広告主にとっては、キャリア別に広告を制作したり、出稿の手続きなどをする必要がなくなるというメリットがある。
「広告主は『ドコモのユーザーに広告を出したい』『ボーダフォンのユーザーに出したい』というより、むしろ携帯電話がこれだけ多くの人に普及しているのだから、できるだけたくさんの人に見せたいと思っている。そのような中で、キャリア別に広告の仕様が違っていては広告主の負担が大きすぎる。テレビ局ごとにCMを作りかえることがないのと同じだ」(山?氏)
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