販売前からPS3への期待感が膨らんでいた韓国。その期待感を象徴していたのが、インターネットやテレビを通じた予約販売だった。
6月5日から12日まで、SCEKはインターネットショッピングモールの「CJモール」と提携し、1日限定100台ずつ、12日には「CJホームショッピングケーブル放送」で限定200台、PS3の予約販売を行った。
この際インターネットでは毎日2分以内、テレビショッピングでは約3分以内に、用意しているすべてのPS3が売り切れてしまったという。16日に行われたイベントでも、Blu-ray Discタイトルなど記念品を贈呈される先着333台すべてを完売した。
多機能なPS3。一部マニア層ならまだしも、そうでない人たちであれば全部の機能を使いこなすどころか、Blu-ray Discの何たるかを把握するのもそう簡単ではないはず。テレビショッピングはそうした人たちにPS3を知らしめる絶好の機会ではあった。
そのためSCEK担当者は「テレビショッピングではBlu-rayやインターネット接続といった、色々な機能を視聴者にじっくり紹介していくつもりだったのに、司会者が前ふりをしている間に売り切れて、紹介できずじまいだった」と、喜ぶに喜べない心境を明かしている。
ところが現在のところ、PS3が売られているのは電気街や専門店などに限られている。広く知らしめるにはPlayStation 2(以下、PS2)のように大型スーパーに配置するなど、もっと幅広く販売する必要があるのではないだろうか。
これに対しSCEK担当者は「PS2を発売した当時の2002年と、PS3を販売した今とで状況が異なるのは、PS2の時はDVDの認知度が高かったのに対し、今現在Blu-rayについては認知度がまだ低い点」と述べている。
PS3の50万ウォンを超える価格は、その多機能さを知っているマニア層にとっては安いと感じられるかもしれないが、逆に便利さを実感できない人にとっては高いと感じざるを得ない。そのためBlu-rayの認知度も低く、PS3販売開始からまだ間もない現在は、ゲームやAVマニア層を主要ターゲットとしてピンポイントマーケティングを行っているところだ。
「2007年下半期頃からは、映画好きや一般のゲーマーなど裾野を広げていき、マスマーケティングを展開する予定。それまでに"グランツーリスモ"や鉄道運転ゲームなど、韓国で人気の高いゲームタイトルをリリースしてアピールしていくつもりだ」(SCEK担当者)。
韓国ではまずピンポイントマーケティングで地盤を固め、その間にゲームやBlu-rayタイトルを充実させて、一般の人にもアピールするマスマーケティングに切り替えていくという戦略をとるようだ。
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