スポンサードサーチを中心とする有料リスティング広告の市場は、いまやネット広告の4割を占めると言われている。こうした状況下において、親会社のYahoo!をはじめ複数のポータルとの提携でビジネスを拡大しているのがYahoo! Search Marketing(Overture)だ。CNET Japan Innovation Conference 2005 Summer(CJIC)にて、マーケティング ディレクターのパトリシオ・スパグノレット氏は、「現在の検索の価値」「Overtureの提供するサービスの現状」「スポンサードサーチがビジネスにどう活用できるか」、そして「検索マーケティングの今後の行方」の4つのトピックを語った。
スポンサードサーチの有効性について語るYahoo! Search Marketingマーケティング ディレクターのスパグノレット氏 |
冒頭でスパグノレット氏は、現在の検索市場の状況を説明した。同氏によれば、現在米国では1カ月あたり49億件の検索が行われ、米国の人口の約半数にあたる1億3300万人のユニークユーザーが存在するという。また、米国のインターネットユーザーの1カ月間における平均検索件数は1人あたり37.4件で、56%が1日に1回以上検索サービスを利用、1日に4回以上利用するユーザーも21%に上る。このように検索エンジンは日常生活に深く浸透しており、仕事でもプライベートでも積極的に利用されているのが実情だ。
次に、同氏は広告事情について語った。同氏によると、Overtureの提供する有料リスティング広告は、ネット広告の41%を占めるようになっており、2008年に有料リスティング市場は73億ドルにまで拡大すると予測されていることから、「このビジネスには将来性がある」と強調した。
スパグノレット氏は、同市場がこのように大幅な伸張を果たした背景は、有料リスティングがビジネスモデルとして理想的だったことにあるとしている。その裏付けとして、ダイレクトメール(DM)は地理的およびセグメント的なターゲティングは可能だが、求めているユーザーにアプローチできる可能性が低いことや、購買サイクルに合わせた展開ができないというデメリットを挙げる。また、電話帳での広告などは、常時閲覧できるため購買サイクルには合うかもしれないが、ターゲット性が低いと述べた。
これに対し、スポンサードサーチでは「ユーザーが興味のあるキーワードを入力し、それに合わせた広告が表示できる。DMや電話帳広告、テレビ、ラジオなどのマスマーケティングには存在しないユーザー主導型というメリットがある」とスパグノレット氏は語る。
また、ユーザーが購買に至るまでの行動には、「カテゴリの発見」「製品の研究」「製品の比較検討」「実際の購入」という段階があるが、スポンサードサーチはユーザー主導であるため、すべての段階のユーザーにアプローチできる点を同氏は指摘した。
さらにスパグノレット氏は、「DMでは、ターゲティング広告を打つとしても既存顧客のみにしかアプローチできないが、検索は潜在顧客の掘り起こしにも使える」として、スポンサードサーチを利用したマーケティングの優位性を語った。
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