「インターネットに検索は欠かせないものだ。すべてのサービスは検索を中心に展開され、検索市場は今後も成長を続けるだろう」--6月20日に開催されたCNET Japan Innovation Conference 2005 Summer(CJIC)の基調講演にて、米Ask Jeevesシニアバイスプレジデントのジム・ランゾーン氏はこのように語った。同氏の講演のテーマは「Everything is Search」だ。講演の中でランゾーン氏は、成長を続ける検索業界をデータで示したほか、Ask Jeevesの提供するサービスを例に挙げ、「Search 3.0」と呼ぶ次世代検索エンジンのあり方を紹介した。
数字で見る検索市場
ランゾーン氏はまず、「検索市場は想像以上に巨大だ」とし、さまざまな統計や予想データを基に「検索の利用が今後も急激な勢いで増え続ける」と熱弁した。
検索市場の大きさを強調する米Ask Jeevesシニアバイスプレジデントのジム・ランゾーン氏 |
同氏は、Goldman Sachsのデータを基に、2006年から2009年にかけて、世界の総人口が年率1%の成長にとどまっているにもかかわらず、インターネットユーザーの成長率は8%となる点を指摘した。しかし、インターネットユーザーより大きな成長を遂げるのは検索サービスのユーザーで、Goldman Sachsでは11%の成長率を予想している。こうした事実から、検索ビジネスの収益ベースの成長は年率20%とされており、市場規模が急速に拡大しているとした。
検索ビジネスはなぜこのような勢いで成長を続けられるのか。ランゾーン氏は、2003年の日本におけるウェブの利用状況の統計を提示した。eMarketerの調査によると、利用比率の第1位は電子メールで57.5%だが、これはウェブの利用とは言いがたい。そうなると、メールの次に利用比率の高い「検索」(57.4%)がウェブの利用方法としてはトップとなる。日本のインターネットユーザーは2001年から2007年にかけて約2倍となり、総人口の66.6%まで成長するとeMarketerでは予想していることから、検索の利用者はさらに増加が見込まれることになる。
人々がオンラインで過ごす時間も長くなっている。commScore Media Matrixの2004年の調査によると、日本人はひと月に平均33時間をオンラインで過ごすとされている。これは、カナダについで第2位だ。「インターネットユーザーが増え、オンラインで過ごす時間も長くなれば、それだけ検索利用者が増えるのも自明の理だ」とランゾーン氏は語る。
ランゾーン氏はまた、インターネットの利用年数が長いユーザーほど検索する頻度が高く、検索のヘビーユーザーは年々検索の利用頻度が高まっているという統計を示した。こうした傾向に加え、検索サービスの性能が向上することや検索利用スタイルの拡大による相乗効果もかんがみると、「検索ユーザーの伸び率が11%という数字さえ、控えめに感じられる」とランゾーン氏は述べた。
同氏は、米国で最もアクセスが多いウェブサイトの一覧を披露した。上位にランクされたのは、もちろん検索系のサービスだ。しかしランゾーン氏は、「検索以外のサービスで上位に食い込んだページでも、検索機能に重点をおいたサービスが多い」と指摘した。
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