山谷剛史
2007/11/08 12:09
11月1日、ニューヨーク証券取引所に中国のIT企業が上場した。その企業とは最高経営責任者(CEO)の史玉柱(Yuzhu Shi)氏率いるオンラインゲームベンダーの巨人網絡(ZT NETWORK TECHNOLOGIES)。上場で8億8700万ドルを調達し、盛大を抜いて中国ナンバー1のオンラインゲームベンダーとなった。
同社はオンラインゲームメーカーといえど、リリースしたタイトルは宋代の中国を舞台としたMMORPGの「征途」のみ。「巨人」というゲームタイトル(2060年に科学技術分野で最先端国家という地位についた中国が舞台。タイムマシンに乗ってアヘン戦争後の列強進出のころに、主人公らがタイムとリップする設定)もあるが、9月にベータテストを開始したばかり。それでいて中国国内において、史玉柱氏は百度CEOの李彦宏(Robin Li)氏に続くIT長者である。中国メディアにして「謎が多い」と言わしめる史玉柱氏の今までの軌跡を紹介しよう。
史玉柱氏は45歳。1989年にPC用ソフトウェア「漢カ軟件」「巨人漢カ」をリリースし、ヒットさせた。さらにノートPC、タブレットPCなどをリリースし、資本を1億元以上に増やしたことで「中国最早期の著名プログラマーの1人」と言われる。1991年に企業「巨人」を設立。新会社で1995年に12種類の医薬品を発売し、医療にも事業を拡大する。IT事業と医療事業の好調を背景に、1994年に史玉柱氏は中国十大改革風雲人物に選出され、1995年にはフォーブスで大陸富豪第8位まで上り詰めた。だが1991年の起業時に当時中国で最も高い70階建てのビル「巨人大厦」を計画したことが仇となる。1994年より建設に着工したが、1996年に建設資金が底をつきはじめる。とうとう1997年には3階部分までできたビルの建設が中止され、同氏はメディアに登場しなくなった。

1999年に薬品「脳白金」で売り上げを伸ばし、史玉柱氏は再びメディアに登場する。2001年に新しい「巨人」という企業を設立した同氏は2004年に再びIT業に復帰、その後リリースしたオンラインゲームの征途は、最高同時オンライン人数が107万人、平均同時オンライン人数51万5000人を記録する中国を代表するオンラインゲームとなった。今回の上場により68.43%の株を所有する同氏は、IT長者としてさらなる脚光を浴びるに違いない。
さて、今後の同社の予定だが、先に紹介したオンラインゲーム「巨人」が正式にリリースされるほか、台湾のゲームメーカーから買収した「万国の王」というタイトルを2008年に中国市場に投入する予定となっている。
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