MS、中国の家電メーカー「長虹」の大株主に--デジタルホーム製品の研究開発を推進

 6月18日、Microsoftが四川省に本社のある中国の大手家電メーカー「長虹(Changhong)」を戦略的投資先とし、9405万元(15億円強)を出資して同社の非公開株1500万株(全発行株の3.75%)を取得したことが明らかになった。

 同社は液晶テレビやブラウン管テレビなど各種テレビを中心に、DVD機器やMP3プレーヤーなどのAV機器、エアコンや炊飯器やなどの白物家電、ADSLモデムやメディアプレーヤーなどのIT機器などを生産する。中国だけでなく、欧州、米国、オーストラリア、中東などワールドワイドで展開している。次世代光ディスクでは、当初は中国独自の規格であるEVD陣営に参画していたが、その後「2008年までにDVDの販売を停止し、EVDに移行する」という北京宣言に反旗を翻し、Microsoftも参画しているHD DVD陣営に参画している。

 さかのぼること6月15日、Microsoftと長虹の両社は「長虹とMicrosoftのMedia Galaxy項目を理解するための覚書(四川長虹公司和微軟公司有関Media Galaxy項目的諒解備忘録)」にサインしている。このMedia Galaxyについてはどのようなものかは公表されてはいないが、両社がホームネットワークを利用したデジタルホーム領域において長期的な提携、すなわちインターネットを利用したデジタルホーム製品やPCやテレビ製品の研究開発を行うことが明らかになっている。

 中国人の反応はどうだろうか。中国最大のポータルサイトの新浪網(SINA)が行った簡易リサーチによると、今回のMicrosoftの投資を「よい(60.31%)」が「悪い(20.7%)」を大きく上回り好評であったが、その一方で「今回投資された15億円強は長虹にとって重要か?」という質問に対しては「重要でない(54.19%)」が「重要である(45.81%)」を上回った。また「Microsoftの投資により、デジタルメディアでの提携はうまくいくか」という質問に対して、前向きな回答が6割弱、前向きでない回答が4割弱を占める結果となった。

 株ブームに沸く中国では、今回の提携話が噂されるや、提携が発表される前となる6月5日以降8営業日連続で株価が上昇し、わずか10日で50%近くも株価が上昇した。

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