ゲーミングでは、ゲームのフレームレートと表示画面のリフレッシュレートの違いによって引き起こされる歪みを回避するために、可変リフレッシュレートが重要になる。それ以外の目的で可変リフレッシュレート(「ProMotion」)を使用すべき主な理由の1つは、「iPad」や「iPhone」などのデバイスの消費電力を節約することだ。これは、デスクトップの場合は大した問題ではないため、ゲームをしないのであれば、高い固定レートに設定して、そのままにしておくのが得策だろう。
ゲームをプレイしたいと考えている人は、「macOS Sonoma」がリリースされるまで、様子を見た方がいいかもしれない。「Windows」用のゲームを実行できるように、Appleによる「DirectX 11」「Direct X12」のエミュレーションを利用するゲーム開発者の数と、それらのゲームのパフォーマンスによっては、GPUの要件を見直した方がいいかもしれない。現時点では、「Appleシリコン」ネイティブのゲームはそれほど多くない。ほとんどは、Appleの「Rosetta」エミュレーター上で動作するモバイルゲームだ。「Parallels」のように、仮想のWindowsマシンを実行することも可能だが、それをするのであれば、筆者はおそらくUltraを選ぶだろう。
Appleシリコンのパフォーマンスは、おおよそコア数と直接関連しているという意味で、依然として非常に一貫している(ただし、どのアプリケーションにも当てはまるというわけではない。アプリケーションは多種多様なため、一般化可能な結果を測定できないからだ)。
Mac StudioのM2 Maxの38コアGPUは、「Metal」に関して、「M1 Max」の32コアGPUよりも約20%優れたパフォーマンスを発揮した。この違いは、ほぼ完全にコア数の多さによるものだ。参考までに、38コアのパフォーマンスは、少なくとも1つのクロスプラットフォームベンチマーク(3DMark Wild Life Extreme Unlimited)で、NVIDIAの「GeForce RTX 4060 Ti」にほぼ匹敵したが、そのテスト結果には反映されていない測定基準もたくさんある。
ただし、この結果から、M2 Ultraの76コアバージョンは、38コアのM2 Maxの2倍弱のパフォーマンスを提供するはずで、「GeForce RTX 4070 Ti」にはわずかに及ばないと推測することができる。
M1世代でもそうだったように、マルチコアCPUのパフォーマンスは、コア構成が同じである場合、ほぼ同等である。つまり、12コアのM2 Proは12コアのM2 Maxと同じくらい高速で、10コアのM1 Maxよりも約20%高速である。コア数が多いからだ。シングルコアの速度は約14%優れている。参考までに、CPUの性能は、Intelの「Core i7-13700H」とほぼ同等のようだ。
筆者は、このシステムを使い始めてから数日しか経っていないので、まだパフォーマンスの細かい部分を確認している段階だ。だが、現時点で導き出した結論には満足している。つまり、Mac Studioの最新モデルは、2022年に登場した前モデルと同様に優れたシステムだが、必要であれば、クリエイティブな作業やゲームのために、この特定の構成をアップデートするかもしれないということだ。
各機の構成
Apple Mac Mini (M2 Pro、2023) | macOS Ventura 13.2、M2 Pro (12CPUコア、19GPUコア)、16GB LPDDR5 RAM、1TB SSD |
Apple Mac Mini (M2、2023) | macOS Ventura 13.2、M2 (8CPUコア、10GPUコア)、8GB LPDDR5 RAM、256GB SSD |
Apple Mac Studio (M1 Max、2022) | macOS Monterey 12.3、M1 Max (10CPUコア、32GPUコア)、64GB RAM、2TB SSD |
Apple Mac Studio (M2 Max、2023) | macOS Ventura 13.4、M2 Max (12CPUコア、38GPUコア)、64GB RAM、2TB SSD |
Apple MacBook Pro (14インチ、2021) | macOS Monterey 12.4、M1 Pro (10CPUコア、16GPUコア)、32GB LPDDR5 RAM、1TB SSD |
Apple MacBook Pro (16インチ、2021) | macOS Monterey 12.4、M1 Max (12CPUコア、32GPUコア)、32GB RAM、512GB SSD |
Apple MacBook Pro (16インチ、2023) | macOS Ventura 13.2、M2 Pro (12CPUコア、19GPUコア)、32GB LPDDR5 RAM、1TB SSD |
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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