アップル「Mac Studio」レビュー:派手な新機能はないが堅実なアップグレード - (page 2)

Lori Grunin  (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年06月16日 07時45分

 ゲーミングでは、ゲームのフレームレートと表示画面のリフレッシュレートの違いによって引き起こされる歪みを回避するために、可変リフレッシュレートが重要になる。それ以外の目的で可変リフレッシュレート(「ProMotion」)を使用すべき主な理由の1つは、「iPad」や「iPhone」などのデバイスの消費電力を節約することだ。これは、デスクトップの場合は大した問題ではないため、ゲームをしないのであれば、高い固定レートに設定して、そのままにしておくのが得策だろう。

ポートの配置
提供:Lori Grunin/CNET

 ゲームをプレイしたいと考えている人は、「macOS Sonoma」がリリースされるまで、様子を見た方がいいかもしれない。「Windows」用のゲームを実行できるように、Appleによる「DirectX 11」「Direct X12」のエミュレーションを利用するゲーム開発者の数と、それらのゲームのパフォーマンスによっては、GPUの要件を見直した方がいいかもしれない。現時点では、「Appleシリコン」ネイティブのゲームはそれほど多くない。ほとんどは、Appleの「Rosetta」エミュレーター上で動作するモバイルゲームだ。「Parallels」のように、仮想のWindowsマシンを実行することも可能だが、それをするのであれば、筆者はおそらくUltraを選ぶだろう。

パフォーマンス

 Appleシリコンのパフォーマンスは、おおよそコア数と直接関連しているという意味で、依然として非常に一貫している(ただし、どのアプリケーションにも当てはまるというわけではない。アプリケーションは多種多様なため、一般化可能な結果を測定できないからだ)。

 Mac StudioのM2 Maxの38コアGPUは、「Metal」に関して、「M1 Max」の32コアGPUよりも約20%優れたパフォーマンスを発揮した。この違いは、ほぼ完全にコア数の多さによるものだ。参考までに、38コアのパフォーマンスは、少なくとも1つのクロスプラットフォームベンチマーク(3DMark Wild Life Extreme Unlimited)で、NVIDIAの「GeForce RTX 4060 Ti」にほぼ匹敵したが、そのテスト結果には反映されていない測定基準もたくさんある。

 ただし、この結果から、M2 Ultraの76コアバージョンは、38コアのM2 Maxの2倍弱のパフォーマンスを提供するはずで、「GeForce RTX 4070 Ti」にはわずかに及ばないと推測することができる。

 M1世代でもそうだったように、マルチコアCPUのパフォーマンスは、コア構成が同じである場合、ほぼ同等である。つまり、12コアのM2 Proは12コアのM2 Maxと同じくらい高速で、10コアのM1 Maxよりも約20%高速である。コア数が多いからだ。シングルコアの速度は約14%優れている。参考までに、CPUの性能は、Intelの「Core i7-13700H」とほぼ同等のようだ。

 筆者は、このシステムを使い始めてから数日しか経っていないので、まだパフォーマンスの細かい部分を確認している段階だ。だが、現時点で導き出した結論には満足している。つまり、Mac Studioの最新モデルは、2022年に登場した前モデルと同様に優れたシステムだが、必要であれば、クリエイティブな作業やゲームのために、この特定の構成をアップデートするかもしれないということだ。

ベンチマークの結果グラフ

各機の構成

Apple Mac Mini (M2 Pro、2023)macOS Ventura 13.2、M2 Pro (12CPUコア、19GPUコア)、16GB LPDDR5 RAM、1TB SSD
Apple Mac Mini (M2、2023)macOS Ventura 13.2、M2 (8CPUコア、10GPUコア)、8GB LPDDR5 RAM、256GB SSD
Apple Mac Studio (M1 Max、2022)macOS Monterey 12.3、M1 Max (10CPUコア、32GPUコア)、64GB RAM、2TB SSD
Apple Mac Studio (M2 Max、2023)macOS Ventura 13.4、M2 Max (12CPUコア、38GPUコア)、64GB RAM、2TB SSD
Apple MacBook Pro (14インチ、2021)macOS Monterey 12.4、M1 Pro (10CPUコア、16GPUコア)、32GB LPDDR5 RAM、1TB SSD
Apple MacBook Pro (16インチ、2021)macOS Monterey 12.4、M1 Max (12CPUコア、32GPUコア)、32GB RAM、512GB SSD
Apple MacBook Pro (16インチ、2023)macOS Ventura 13.2、M2 Pro (12CPUコア、19GPUコア)、32GB LPDDR5 RAM、1TB SSD

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]