「ラブライブ！スーパースター!!」Liella!初のドームライブで感じた“天井知らずのポテンシャル”

　CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は3月4日と5日に、埼玉県のベルーナドームにて行われた、「ラブライブ！スーパースター!!」をテーマとしたライブイベント「ラブライブ！スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ～WE WILL!!～」埼玉公演の模様をお届けする。

「ラブライブ！スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ～WE WILL!!～」キービジュアル

　「ラブライブ！」は、「みんなで叶える物語」をキーワードとして、オールメディアで展開しているスクールアイドルプロジェクト。「ラブライブ！スーパースター!!」ならびに、スクールアイドルグループ「Liella!」（※読み方は「リエラ」）は、2020年に始動。表参道と原宿と青山という3つの街のはざまにある新設校「私立結ヶ丘女子高等学校」を舞台に、Liella!がスクールアイドルとして活動する姿を描いている。2021年7月からはTVアニメ第1期、2022年7月からはTVアニメ第2期を放送した。

　メンバーの声を担当するキャストが、同名のグループとして自らステージに立つライブイベントもシリーズ恒例。Liella!も2021年10月から全国10都市で1stライブツアーを、2022年3月から全国3都市で2ndライブを開催。この3rdライブツアーは、2022年12月から全国7都市で行われるもので、埼玉公演はツアーファイナルに。あわせて、Liella!にとってドーム球場での単独ライブは初めてのこととなっていた。

　出演したのは、伊達さゆりさん（澁谷かのん役）、Liyuuさん（唐 可可（タン クゥクゥ）役）、岬 なこさん（嵐 千砂都役）、ペイトン尚未さん（平安名すみれ役）、青山なぎささん（葉月 恋役）、鈴原希実さん（桜小路きな子役）、薮島朱音さん（米女メイ役）、大熊和奏さん（若菜四季役）、絵森 彩さん（鬼塚夏美役）。またTVアニメ第2期に登場したウィーン・マルガレーテ役の結那さんもゲスト出演した。

前列（2期生）左から、大熊和奏さん（若菜四季役）、鈴原希実さん（桜小路きな子役）、薮島朱音さん（米女メイ役）、絵森 彩さん（鬼塚夏美役）、後列（1期生）左から、ペイトン尚未さん（平安名すみれ役）、Liyuuさん（唐 可可役）、伊達さゆりさん（澁谷かのん役）、岬 なこさん（嵐 千砂都役）、青山なぎささん（葉月 恋役）

結那さん（ウィーン・マルガレーテ役）

　Liella!は、かのんを中心とした結ヶ丘女子高等学校の新入生5人で結成。キャストも伊達さん、Liyuuさん、岬さん、ペイトンさん、青山さんによって活動を開始（後に1期生という立ち位置に）。TVアニメ第2期ではかのんたちが進級して2年生となり、新たに新入生4人を迎えてのストーリーが展開。それにあわせて、キャストも鈴原さん、薮島さん、大熊さん、絵森さんが2期生として加入。9人体制で3rdライブツアーが行われた。

　新型コロナウイルスの流行以降、ラブライブ！シリーズのライブイベントでは客席から発声をともなう声援は控える形となっており、Liella!の3rdライブツアーもその方針に沿って行われていたが、この埼玉公演では新型コロナウイルス対策の基本的対処方針とガイドラインに則った上で声出しを解禁。マスクを着用した大声での歓声や応援が可能となった。Liella!は前述のように2020年から始動し、同年12月のキャスト発表（1期生）を経て、2021年から本格的なイベント展開が行われるようになったこともあり、歓声が聞こえる単独ライブは埼玉公演が初めてとなった。

ベルーナドームに集まったファンのコールや歓声が、会場中に響き渡る公演となった

　3rdライブツアーではTVアニメ第2期にスポットを当て、関連楽曲を中心に披露。埼玉公演では、皮切りとなった宮城公演をはじめとした各公演とおおむね同じ流れで進行。Day1とDay2で一部異なる楽曲が披露されたほか、Day2ではアンコール後にサプライズと言えるような演出も盛り込まれた。

　オープニングではメンバーの紹介映像を上映。これまでも見てきた光景ではあるが、唯一違うのは、メンバーの姿が映し出されるたびに歓声が沸き上がること。高揚していることが伝わるような空気感のなかメンバーが登場し、オープニングナンバーとしてTVアニメ第2期オープニングテーマ「WE WILL!!」を披露。ラブライブ！シリーズのライブステージは、アニメーション映像と同じパフォーマンスを行うことが特徴となっており、スクリーンにメンバーたちが歌い踊る映像を流しつつ、キャストも一緒に歌い踊ることで、作品とシンクロした世界を体感できることが魅力のひとつ。メンバーが躍動するオープニング映像を背景に、そして客席からコールも受けて9人が躍動。続けての「スター宣言」でもバンドサウンドにのって高らかに歌い、ラストには決めポーズとともにステージ上で火花や大きな音を放つ特殊効果の演出も行われ、さらに熱気を高めていった。

「WE WILL!!」

　9人が一列に並んで挨拶をし、そこに返ってくる歓声で喜びの表情を見せるメンバーたち。恒例のコール＆レスポンス（コーレス）をしようとするなかで、本来であれば大熊さんから始まるのだが、Day1については大熊さんから、歓声でコーレスの仕方を忘れてしまったので、先輩方の見本を見せてほしいと、1期生にお願いをすることに。あくまで大熊さんは“忘れた”を強調していたが、単独ライブでの声があるコーレスは1期生に譲るような行動により、1期生から開始。ドームに響き渡るレスポンスとしての大きな声には一様に興奮した反応を見せ、なかには薮島さんが感激したのか涙ぐんで反応を返せなくなってしまう一幕も。そして、それぞれに歓声の響きに驚きつつも“声を出していきましょう”と呼びかけていた。Day2ではツアーファイナルということで、それぞれに早かったというような声が聞かれるなか、この公演を盛り上げていくことなどが語られていた。

　ここからは、TVアニメ第2期の映像を挟みながら挿入歌などを披露。「Welcome to 僕らのセカイ」（伊達さん、Liyuuさん、岬さん、ペイトンさん、青山さん）は第1話で、2年生が1年生のきな子を迎え入れるときに歌われた楽曲。ポップな雰囲気のアニメPVを背景に1期生5人がパフォーマンスするなかで、終盤ではステージに現れた鈴原さんに伊達さんが手を差し伸べ、きな子がLiella!に加入したことを示すものに。

　ステージが暗転し、ミステリアスな雰囲気に包まれるなか、結那さんが登場し、「Butterfly Wing」を披露。第3話での代々木スクールアイドルフェスで、Liella!を退けて優勝したときに歌われた楽曲となっており、アニメPVを背景に結那さんがパフォーマンス。マルガレーテを彷彿とさせる圧巻のパフォーマンスは、大規模会場であるベルーナドームでも伝わるもので、大きな歓声が巻き起こっていた。

「Butterfly Wing」

　第3話のシーンが流れ、ステージ裏で6人が円陣を組むシーンを経て歌われたのは「Go!! リスタート」（伊達さん、Liyuuさん、岬さん、ペイトンさん、青山さん、鈴原さん）。かのんが口にした“全員がセンター”を示すように、円形のステージでそれぞれ外側を向きながら、拳を振り上げたり高々と掲げるポーズを交えながらパフォーマンスし、Liella!のリスタートを示すものとなった。

　ここからは、TVアニメ放映時の特別パート「リエラのうた」のコーナーに。柔らかいタッチで描かれたメンバーが遊園地で楽しんでいる様子の映像を経て、楽曲を披露。Day1とDay2で異なる3曲が歌われた。

　Day1は、「パレードはいつも」（薮島さん、大熊さん）から始まり、トロピカルな雰囲気漂う曲調のなか、時折メイと四季の関係性を感じさせるように歌う。「迷宮讃歌」（青山さん、絵森さん）では、タンゴ風の曲調のなか、ミステリアスな雰囲気を漂わせつつ、気品の高さも感じられるようなステージに。「Dreamer Coaster」（伊達さん、鈴原さん）では、特徴的なクラップの振り付けも織り交ぜながら軽快に歌い、明るく元気になれるようなパフォーマンスを見せていた。

　Day2は、「プライム・アドベンチャー」（薮島さん、大熊さん、絵森さん）からスタート。冒険のドキドキや楽しさを歌声とダンスで3人が表現。「エンドレスサーキット」（Liyuuさん、ペイトンさん）は、往年のロックンロールがイメージされる曲調にのせ、2人が掛け合いを交えたながら歌う。「駆けるメリーゴーランド」（伊達さん、岬さん）は、2人の優しい歌声で、幼なじみであるかのんと千砂都の関係性が見えるようなステージとなっていた。

　TVアニメにおける、メイと四季がLiella!へ加入するエピソードの上映、そして1年生の合宿に同行した夏美に対して、かのんから誘われる場面ではカラフルに彩られていくシーンにあわせて、ステージでも再現するように電飾がカラフルに輝きが広がっていく。そして、Liella!が9人となったところで、ここからは9人でのステージに。第6話挿入歌でもある「ビタミンSUMMER！」では、カラフルな衣装かつポップでサイバーライクな風貌で登場し、アニメPVを背景に映像では夏美が、ステージでは絵森さんがセンターに立ってパフォーマンス。アップテンポなEDMナンバーを歌うなかで、曲中の“Yeah！”のコールも客席から沸き上がり、テンションを高めていった。

「ビタミンSUMMER！」