マイクロソフト、「Bing」チャットの上限を1回10ターンに引き上げ

Sabrina Ortiz (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2023年03月10日 08時29分

 Microsoftが2月、一部のユーザーを対象に「Bing」の人工知能(AI)チャットボットを初めて公開したのにともない、このチャットボットの欠点の一部が明らかになった。同社はチャットセッションが長くなるとAIモデルに混乱が生じることに気付き、チャット回数を制限したが、この上限を近い将来引き上げると約束していた。

Bingのロゴ
提供:Getty Images/NurPhoto

 Microsoftのコーポレートバイスプレジデント兼コンシューマー最高マーケティング責任者のYusuf Mehdi氏は米国時間3月8日、Bingチャットの上限を1セッションにつき10ターン、1日あたり計120ターンと、これまでの2倍近くに引き上げることをTwitterで発表した。

 Microsoftが最初にチャットボットに制限を設けたとき、上限は1セッションにつき5ターン、1日あたり合計50ターンだった。そのすぐ後、1セッションにつき6ターン、1日あたり合計60ターンに引き上げられた。

 チャット制限によって、チャットボットとの一部の会話は非常に難しくなっていた。1回の会話が短くなったことにより、多くの技術的な要求(特定のフォーマットでのコードやテキストの作成など)に対して、役に立たなくなっていた。その能力こそが、「ChatGPT」が一躍有名になった理由だったにもかかわらずだ。

 チャット上限の引き上げは、この問題の解決に向けた一歩になる。また、通常のBing検索はチャット数にカウントされなくなっているため、有意義で生産的な会話をチャットボットと交わす余裕が持てる。

 Microsoftは2月、複雑で長いチャットセッションは、必ずしも社内でテストしていたものではなかったため、一般ユーザーからのフィードバックは、チャットボットについてより深く理解するために実際に役立っているとしていた。

 「実際、新しいBingを限られた数のプレビューテスターに公開してテストしているのは、まさにこうした例外的なユースケースを見つけるためだ。当社はそれらのユースケースから学んで、製品の改善に役立てることができる」(Microsoft

 Mehdi氏はTwitterで、このわずか30日間のBingチャットのユーザーエンゲージメントが非常に高いことも明らかにした。公開からの1カ月間で計4500万回のチャットが交わされ、このプレビュー版を使う人の3分の1が、Bingを初めて使っているという。

 Mehdi氏は、デイリーアクティブユーザー数が1億人を超えたことなどBingの成功を称える一方で、他の検索エンジンと比較すると「シェアは一桁台前半でまだ低い」ことを認めた。一方、「フィーバーの渦中にいるのは心地良い」とした。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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