コロナ禍から何年もかけて日常を取り戻してきた今、「Mobile World Congress」(MWC)が復活を遂げた言っても差し支えはないだろう。
2023年は、かつてないほど多くのメーカーが、スマートフォンのイノベーションの限界に挑戦している。中には、まもなくグローバル市場に登場する完成品もあれば、コンセプト段階のものもある。コンセプトとは、私たちに未来を垣間見させてくれる先進的なプロトタイプのことで、実際に手を触れたくなるほど興味深いものばかりだ。
それらの製品は、業界の変化に貢献し、読者の皆さんが次に購入する「iPhone」やサムスンの「Galaxy」、Googleの「Pixel」スマートフォンに影響を与える可能性もある。そこで、本記事では、2023年のMWCでこれまでに発表された、期待度の高いスマートフォンをいくつか紹介する。折りたたみ式スマートフォンや巻き取り式スマートフォン、そして、もちろんコンセプトも含まれる。
OnePlusは過去にもコンセプトスマートフォンを披露してきたが、最新の「OnePlus 11 Concept」は、われわれがこれまでに見た中で最も実用的かつ現実的なコンセプトかもしれない。事前のティーザー投稿で示唆されたように、OnePlus 11 Conceptは、放熱とゲームパフォーマンスの向上を目的とした「Active CryoFlux」という冷却システムを備えている。
外側の透明な背面カバーと、Qualcommの「Snapdragon 8 Gen 2」チップセットを含む内部コンポーネントの間に、光る青色の冷却パイプ(上の写真を参照)が配置されている。OnePlusによると、それらのコンポーネントと冷却パイプのおかげで、このコンセプトスマートフォンはゲームプレイ時にフレームレートの低下(1秒あたり3~4フレーム)を減らし、温度を最大で華氏35.8度(摂氏19.9度)下げることができるという。
Active CryoFluxシステムは、充電時の過熱を防ぎ、充電速度を30~45秒短縮することもできる(これにどれだけの価値があるのかは分からないが)。このコンセプトのベースとなっている「OnePlus 11」が最大100Wの急速充電をサポートしていることを考えると、熱低減性能の改善はうれしい利点だ。
ここ数年、折りたたみ式デバイスが脚光を浴びてきたが、巻き取り式デバイスはほぼ忘れ去られていた。メーカー各社は通常、CESやMWCなどの年次見本市で巻き取り式のスマートフォンやノートPC、テレビを披露するが、それらのコンセプトは、発売準備が整った製品のニュースに注目が集まる中で、徐々に忘れ去られていく。
それでも、巻き取り式ディスプレイには、より人気が高い折りたたみ式では再現できないであろう魅力がある。ボタンを押すだけでディスプレイを伸縮できる機能は、本当に近未来的な感じがするし、その光景を見るのも同様に楽しい。
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