YKK APは2月21日、磁力で開閉する「リニアシステム」を搭載し、顔認証などの電気錠システム(スマートコントロールキー)で解錠するとドアが自動開閉する、戸建住宅向けの「M30 顔認証自動ドア」を、3月20日に発売すると発表した。参考税別価格は98万円〜。別途、現場搬入費、組立施工費などが必要になる。
YKK AP 代表取締役社長の堀秀充氏は「YKK APでは以前からプロトタイプとして『未来ドア』を発表しており、これを商品化したいと考えていた。顔認証、自動ドアということで今考えられる中では非常に利便性が高いものができた。耐久性も高く、自信作になった」と開発のきっかけを話した。
本商品は、顔認証キー搭載によりハンズフリーで入室できる、引戸タイプの戸建住宅用の自動ドア。荷物で両手がふさがっている場合や、ベビーカー、自転車を押しながらの出入が可能で、顔認証キーのほか、ICタグキーやリモコンキー、スマートフォンアプリによる解錠にも対応している。
たて枠に光電センサーを搭載し、人や障害物を感知するとドアは閉じない仕組み。閉じ中に人や障害物を検知、または衝突するとドアが反転して開き、再度衝突すると停止する。荷物の搬入時など、全開状態で約3秒間ドアを抑えるとブザーが鳴り、全開したままの状態となる。
自動開閉には、磁力で駆動するリニアシステムを採用。磁石とコイルの非接触で駆動するのでモーターのエンジン音などもなく、手動スライディングドアと同等の静音性を備える。一般的な自動ドアのようにベルトで駆動しないため、摩耗部品が少なく耐久性にも優れる。
未来ドアでは開閉式を採用していたが、商品化においてはスライディングドアへと変更した。これについては「開閉式もいろいろと検討したが、現時点で安全性の高いスライディングドアを採用した。スライディングドアは店舗などにも数多く採用されており、今回の新製品はこの進化版的位置づけ」とした。
顔認証には、室外側ユニット内の2つの内蔵カメラによって顔を立体的に捉える生体認証(3D認証)の技術を採用することで、顔のダミーや写真による不正解錠を防止。赤外線カメラで夜間でも認証が可能だ。顔の登録は最大20人まで。
停電時は、手動スライディングドア並みの開閉力で動かすことが可能。全22デザイン、全12 カラーをそろえ、サイズは3タイプを用意し、枠にリニアシステムを取り付けた状態で出荷することで、通常のドアの施工業者でも簡単に取り付けができる仕様となっている。
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