YKK APは10月25日、「顔認証キー」に対応した「新スマートドア」を発売した。玄関ドアの前に立つだけで、施解錠ができるハンズフリー、キーレス仕様になる。YKK APの主要な玄関ドアであれば搭載ができ、断熱玄関ドア「ヴェナート D30」F03Nデザインの場合、顔認証キーが45万円、「ポケットキー」が37万円になる。
新スマートドアは、電気錠の機能をドアハンドルに一体化した「スマートコントロールキー」を標準搭載した玄関ドア。カードキーやシールキーで施解錠ができる「スマートドア」として販売していたが、ICタグキーで施解錠が行える「ピタットキー」と、リモコンキーで施解錠が行える「ポケットキー」の機能向上に加え、顔認証キーに対応した新モデルとして6月に発表していた。
室外側ユニットと室内側ユニットから構成され、室内側のユニットの決定ボタンを長押しし、「登録モード」を選択することで、顔データの登録が可能。正面のほか上下左右とさまざまな角度で顔を登録することで、口、目、顔の形状、深さなどの顔の特徴を3Dで記録し、高いセキュリティを確保する。ハンドル本体には、音声ガイダンスを組み込んでいるため、「登録が完了しました」など、音声で確認しながら操作が可能だ。
マスクや眼帯、帽子などを装着していると登録ができず、認証時もマスクなどの装着は不可。室外側ユニットには赤外線LEDを内蔵し、夜間での認証も可能なほか、2つのカメラで顔を読み取る、認証精度の高い3Dタイプを採用しているため、FAR(他人受入率=他人を本人と誤って受け入れる確率)100万分の1と高い精度を保つ。
新スマートドアは顔認証のほか、ハンドル部にタッチすることで施解錠ができるタグキーと、ボタンを押すと施解錠が可能なポケットキーの2つを用意。いずれも非常用鍵が収納され、停電時などいざという時のために備える。鍵は、スマートフォンアプリから登録や管理ができ、スマートフォンで施解錠ができる「スマホキー対応」のほか、施解錠の履歴確認もできる。
YKK APによると、電気錠一体型戸建住宅用玄関ドアにおける顔認証キーの対応は業界初とのこと。使用するには電力が必要になる。ピタットキー、ポケットキーの場合は、電力のほか、電池ボックスでの使用にも対応する。電池ボックスは単3電池4本で駆動し、約1年の使用が可能だ。
顔認証キーによる施解錠ができると、在宅医療や介護、家事代行など、家の中に入ってくるサービスを利用する時など、合鍵を作って渡す必要がなく、渡される側にとっても鍵の管理がなくなるといったメリットがあるとのこと。スマートドアの構成比は2021年7月時点で68%に達しており、YKK APでは、2021年度に新スマートドア全てで133億円の売上を目指すとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス