米航空宇宙局(NASA)のアルテミス計画では、月面に降り立って帰還する以上のこと、すなわち人類が月に持続的に滞在することを目指している。それを成し遂げるためには現地の資源を利用する必要がある。Jeff Bezos氏が創設した航空宇宙企業Blue Originは、ソーラープロジェクト「Blue Alchemist」を通じてそれに貢献したい考えだ。
Blue Originはまだ地球の周回軌道にも到達していないが、すでに月への滞在を見据えた計画を立てている。同社は米国時間2月10日に発表した声明で、「月のレゴリス模擬物質から太陽電池と送電線」を開発する取り組みに2021年から着手しており、現在は実用レベルの太陽電池のプロトタイプを完成させていることを明らかにした。これはすなわち、「月の土」を太陽光発電に利用しようという試みだ。
月のレゴリスとは、月の表面にみられる物質のことだ。ただし、われわれが考える地球の表面物質、すなわち植物が育つ土とは大きく異なる。月のレゴリスは塵(ちり)、岩のかけら、鉱物、ガラスの混合物だ。そして月のレゴリス模擬物質とは、月表面にある物質の組成および特性を再現するために作られた代替品を指す。
太陽電池の材料を得るために、Blue Originは高温と電気の組み合わせを用いた。
「レゴリス模擬物質から、われわれの反応器は鉄、ケイ素、アルミニウムを作り出した。レゴリスの溶融電解を通じて、電流がこれらの元素を酸素から分離させた」と同社は説明している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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