Mannaは地元の小売店から食料品やコーヒーを配送している。Ziplineが配達するのは、例えば、ユタ州のIntermountain Healthcareやアーカンソー州のWalmartを通して、顧客が注文した医薬品だ。Drone Expressはジョージア州でPapa Johnのピザを配達している(飲み物は対象外)。Wingのドローンは、テキサス州ダラスおよびフォートワース近郊のWalgreensから商品を配送しており、Amazonはテキサス州とカリフォルニア州で、注文を受けた商品を配達している。
通常は、配送料が発生する。Mannaは、コーヒーや食料品を可能な限り早く届ける代価として、4~5ドル程度課金している。DoorDashやGrubhub、Uber Eatsといった車両を使用するサービスと同様、ドローン配送の注文アプリも到着時間に関する最新情報を知らせてくれる。
ドローンは通常、家の裏庭などに着陸するのではなく、安全性と騒音の問題を最小限に抑えるために空中にとどまる。例えば、Ziplineのドローンは300~400フィート(約90~120m)上空を飛行して、自動車2台分の駐車スペースほどの大きさの場所に荷物を落とす。荷物は緩衝材で包まれた箱に入れられており、落下速度を遅くするために、小さなパラシュートが付けられている。WingとMannaがつなぎ綱を使って荷物を降ろすのに対し、Amazonは約15フィート(約4.6m)の高さから荷物を落とす。
Drone ExpressのCEOのBeth Flippo氏は、オハイオ州デイトン近郊で食料品チェーンのKrogerと共同で実施したテストについて、「配達に要する時間は10分だ」と語った。「注文した人はパジャマ姿で外に出てきた。それほど早く到着するとは知らなかったからだ」(Flippo氏)。一番売れ行きが良かったのはアイスクリームだったという。
ほとんどのドローンは自動操縦であり、問題が発生した場合に備えて、予備的な要素や帰還動作などの安全機能を備えている。ドローンは通常、自律操縦で飛行するが、米国では人間が目視で監視している。
ドローン配送会社は具体的なことを明かそうとしないが、どの会社も2023年に事業を拡大する見通しだ。
Flippo氏は、「2023年中に数百の発着場を確保したいと考えている」と語る。拡大計画の実施の有無は、米連邦航空局(FAA)がDrone Expressのドローンを承認するかどうかにかかっている。それぞれの企業が独自の発着場を持つことになるので、1つの都市に複数の発着場が設置されるだろうが、それは、ドローン配送の潜在顧客が多数存在することを意味する。同氏は、「Krogerのすべての店舗から3マイル(約4.8km)以内の場所に配送できれば、1億人にリーチできる」と述べた。KrogerがライバルのAlbertsonsを買収したことで、その数はさらに増えるだろう。
別のドローン配送スタートアップであるDroneUpも事業を拡大しようとしている。CEOのTom Walker氏は、声明で「われわれは、6つの州に34の配達ハブを開設して、米国に住む400万人にドローン配送サービスを提供することをパートナーのWalmartに約束しており、これからそれを実現していくつもりだ」と述べている。DroneUpは、建設現場調査や不動産写真、保険請求のサポートなど、他のドローンサービスにも進出している。同社は2022年、DroneUp Flight Academyで170人のドローンパイロットを訓練したが、2023年には、それを1000人以上に増やす予定だ。
Ziplineも事業の拡大を続ける見通しだ。2022年には約21万5000件の配送を実施し、それまでの5年間の合計を上回った。2023年には、新たな市場への進出、新しいサービスの追加、新たな顧客獲得を目指している、と米国でのGo-To-Marketの取り組みを主導するIrene Scher氏は語った。さらに、プラスチック製のインサートから、よりコンパクトな衝撃吸収帯に移行することで、2023年には貨物量が増加し、ドローンが運ぶことのできるペイロード重量がほぼ2倍になる。
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