シグニファイジャパンは9月21日、Wi-Fiセンシング機能を標準搭載したスマート照明「WiZ(ウィズ)」を発表した。30秒でセットアップできるなどの使いやすさを打ち出し、スマート照明普及の裾野拡大を狙う。同日からAmazonで発売を開始している。
シグニファイは、2019年にフィリップス ライティング ジャパンから社名を変更。施設用照明、家庭用照明を手掛け、スマート照明では「Philips Hue」(フィリップスヒュー/Hue)の開発、販売をしている。「私たちは、世界でスマート照明領域をリードしているが、日本における普及率は2〜3%。より簡単に使えるスマート照明を展開することで、この市場を広げていきたい。Hueは最高の照明体験ができるプレミアムブランドと位置付け、WiZは手軽にスマート照明を始められるエントリーブランドとして幅広い層に提案していく」(シグニファイジャパン 職務執行者社長の大塚圭太郎氏)と棲み分ける。
WiZは、専用ハブなどを必要とせず、専用アプリとWi-Fiがあれば使用できるスマート照明。本体にWi-Fiセンシング機能「SpaceSense」(9月下旬リリース予定のアプリV2より利用可能)を備え、部屋に人が入ると自動的に照明が点灯し、動きを感知しなくなると自動的に消灯など、動きのセンシングによるコントロールが可能だ。利用するには、2つのWiZが必要。1つが発信機、1つが受信機となり、Wi-Fiのゆらぎを検知し、照明のオン、オフ、調光などが可能になるとしている。
「同様の機能をもたせたモーションセンサーなどもあるが、センサーの電池交換などのメンテナンスが必要になったり、設置している向きによってセンシングできなくなったりする。WiZであれば電池が不要で、空間全体をカバーできる」(シグニファイジャパン WiZ事業開発マネージャーの岩下僚氏)とメリットを挙げる。感度を1〜9段階で設定できるほか、検知しない時間帯を選ぶことが可能。「就寝中に寝返りをうって、照明がついてしまうといったことは避けられる」(岩下氏)とのこと。
専用アプリ「WiZアプリ」を用意し、暖炉や海など特定のシーンをイメージしたさまざまなプリセットから照明の色を選んだり、好みの照明シーンを作成することも可能。概日リズム「サーカディアンリズム」に適した明かりの選択や調整もできるため、生活リズムに応じた照明のオートメーションもできる。
シグニファイジャパンでは、WiZの電球、部品などをOEMでパッケージ提供する専用のプログラム「WiZ Pro」も用意。照明メーカーなどに提供することで、スマート照明への参入を促す。「既存の照明器具を製造、販売しているメーカーがスマート照明に取り組むとなると、通信モジュールやアプリが必要になり、多くのリソースを割かなければならない。通信部品などを供給することで少ないリソースでスマート照明に参入していただけるようになる」(岩下氏)と、参入メーカーを増やす取り組みも進める。
シグニファイジャパンは、スマート照明のリーディングカンパニーとしてHueシリーズに加え、WiZブランドを拡充することで、日本市場にスマート照明の普及を加速させ、Well-Beingの実現を目指すとしている。
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