オリジナル熟成肉を提供するレストラン「格之進」を運営する門崎は、8月2日よりメタバースミートショップ「格之進メタストア」をオープンすると発表した。
メタバース空間の中にあるショーケースの肉を見ながら、店舗に滞在するミートコンシェルジュ(肉職人)に、用途に応じたお勧めの肉(部位など)について相談したり肉について質問したりできるのが特長だ。
昔ながらの肉の専門店で店員と客がコミュニケーションをしながら買い物をするような「あつらえ販売」とECの利便性を併せ持たせたサービスとなる。
ハコスコのECメタバース空間「メタストア」を導入しており、PCのウェブブラウザよりウェブサイトにアクセスすると参加できる。VRゴーグルなどのデバイスやアプリは不要だ。店舗内は、PCのカーソルキーを使って自由に移動できる。
開業当初は、門崎熟成肉の塊肉(ブロック肉)を中心にラインアップし、その他、格之進ハンバーグや牛醤などを販売する。ブロック肉が中心のため、プロや動画を見ながら部位ごとに解体したいような、こだわりのある肉好きの一般の人を対象にしている。
店舗は24時間オープンしており、ミートコンシェルジュのスケジュールは、格之進メタストアの紹介ページ(8月2日開設予定)と格之進公式のTwitterアカウントで知らせるという。
ミートコンシェルジュが不在でも、気になる肉をクリックすると肉の特徴を確認できる。購入したい商品が決まったら、画面上でカートに追加し、画面に従って注文手続きをする。実店舗に出向けない時や近くに格之進の店舗がない場合にも、24時間いつでも実店舗に近い買い物体験ができるようになる。
門崎では、EC商品の購入者限定で肉の焼き方などをビデオ会議で教える「格之進オンライン肉会」や店舗におけるロボットの導入の実証実験など積極的にテクノロジーを活用してきた。
門崎 代表取締役の千葉祐士氏は、今回の立ち上げについて「これまでもDXを活用し、オンラインとオフラインの垣根を取り払い、お客様との関係性、顧客体験の向上に取り組んできた。今回開業するメタストアは、格之進を始め、先行き不透明な時代に飲食店のさらなる進化がどのようにあるべきかということに対するチャレンジでもある」と説明した。
こうした取り組みは、「地方にある小さな企業、こだわりを持っている会社ほど、さまざまなエンゲージメントの強い関係性をこのデジタルというツールを使うことで、均一的なサービスでなくさまざまなダイバーシティ&インクルージョンに応えられる」と期待を寄せる。
メタバースストアを運営するハコスコ 代表取締役の藤井直敬氏は、メタバースストアについて「リアルのつながりをオンラインで再現するOMOソリューションという位置づけ。ポストコロナの時代で、リアル店舗でのお客様との接客が難しい一方、ECではお客様とのコミュニケーションがほとんどない。そんなときにメタバースを使えばいいといろいろな事業者が試みているが、メタバースサービスは参入コストが高かった。イベントをやろうとすると軽く1000万を超え、しかも一度消費されたら終わり。日常で使うものになっていなかった。メタバースの価値は日常的に使われてこそ初めて意味があると考えているので、リアル店舗とオンライン店舗のいいとこ取りをする、新しい形のショー空間として始めた」と説明した。
導入コストは月額1万円~で、カスタム制作や導入サポート費用は別途かかる。
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