Twitterが、毎日約5億件以上投稿されるツイートのデータを含む情報を、Elon Musk氏に提供する準備を進めていると報じられている。この提供が実際に行われた場合、同社とMusk氏との買収をめぐる膠着状態に終止符が打たれる可能性がある。Musk氏は今週に入り、Twitterを440億ドル(5兆9000億円)で買収する手続きを進めるかどうかについて、あらためて疑念を示していた。
The Washington Post(WP)が、Twitterの意向を良く知る人物の話として報じたところによると、Twitterは早ければ今週中にもこのデータをMusk氏に提供する可能性があるという。現在20社以上の企業が有料でアクセスしているこのデータの中には、ツイートのリアルタイム記録、ツイートが発信された端末、ツイートを発信したアカウントの情報などが含まれている。WPの記事によると、Twitter幹部らはスパムアカウントと偽アカウントの数の推定につながる新情報を、Musk氏が発見することはないと考えているという。
同記事が報じたTwitterの決断は、買収を撤回するというMusk氏の圧力に応じるもの。この件に関しては、Musk氏の弁護士を務めるMike Ringler氏が米国時間6月6日、Twitterに書簡を送り、スパムアカウントと偽アカウントに関する詳しい情報の提供を拒否している同社を非難していた。この書簡にはまた、Musk氏が「Twitterのビジネスモデルの中核をなす、アクティブユーザーベースを完全かつ正確に理解する」ことを望んでいるとも記されているという。
Musk氏はTwitterを1株あたり54.20ドルで買収することで合意している。この買収額は、同氏がTwitter株式の9%以上を保有していることを明らかにした前営業日にあたる4月1日のTwitter終値に38%上乗せした金額だ。Musk氏側はその後、買収金額の引き下げも論外ではないと述べたが、Twitterは買収金額を再交渉するつもりはないとし、合意を進める意向を示している。
なお6日には、現在Musk氏が居を構えるテキサス州のKen Paxton司法長官が、Twitterのボットの数について調査を開始したことを明らかにしていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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