国際エネルギー機関(IEA)は、電気自動車(EV)の販売台数などを調査し、その結果をレポート「Global EV Outlook 2022」として公表した。2021年に世界で販売されたバッテリー電気自動車(BEV)およびプラグインハイブリッド車(PHV)は過去最高の660万台で、2020年の2倍ほどだったという。新車全体の10%弱を占めていた。
BEVやPHVの販売が急増している要因の1つとして、IEAは各国政府のEVシフト政策を挙げた。今後10年、20年といったスパンで自動車の電動化を目標にする国が増えており、盛んに補助金を提供している。
多くの自動車メーカーも政策目標を上回る計画を立て、電動モデルの拡充に取り組んでいる。BEVとPHVのモデル数は2021年末時点で450車種に達し、これは2015年の5倍に相当する。
地域別では、販売数が前年に比べ3倍弱となり、世界シェア約5割の330万台だった中国が最多。IEAは、中国で販売されるEVは比較的小さなモデルが多く、生産コストが安いのでエンジン車との価格差が小さく、これが販売好調に繋がっていると分析する。具体的には、中国のEVはエンジン車より10%高いのに対し、ほかの地域では45%から50%割高だそうだ。
中国に続くのは、欧州の230万台(2020年比65%増)、米国の63万台(同2倍超)。
2022年の状況は、世界的にサプライチェーンが混乱していたものの引き続き好調で、BEVとPHVの販売は第1四半期だけで200万台。ただし、今後もサプライチェーン問題、バッテリーなどに必要な鉱物の供給不足や価格高騰、ロシアのウクライナ侵攻、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ロックダウンなど、用心すべきリスクは多いとしている。
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